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非定型取引の決済書類の確認は怠れません(1)

対米不動産投資の中山道子です。2017年早くも春を迎えることとなりましたね。私は、子供が中学生になり、学校の外の「自主勉強」に力を入れるようになりました。昨日は、ロバート・キヨサキ氏のキャッシュフロー101ボードゲーム会。月例の地元の不動産投資家向けイベントです。

主催者は、まだ22歳のカップル。高校卒業後、ペンキ屋さんを開業後、不動産投資をしたいと頑張り、今、男性の方は融資を取得するためのローンオフィサー、女性のほうはレアルターになっています。既に投資物件を何件か持ち、今年は、アパート経営に乗り出したいというお二人、高校卒業後の読書や勉強量は、普通の大学生の比ではないでしょう。

さて、今日は、何百件も決済を経験している私が、過去に経験したことがなかった「決済書類にシリアスな間違いがあった」というお話です。

案件は、私自身の案件。

商業物件なので、値段がつきにくく、お客様にお勧めするような案件ではありませんでしたが、玄人から見れば、相当な上向きポテンシャルがあるということで、エントリーしました。

しかし、実際に利益が半分確定してみると、それほどの大化け案件にはなりそうもありません。苦労しただけでした。笑

今の計画通りで行くと、私にとっては、普通のリターン、結果、年率8%あたりで落ち着く感じになってしまった状況でしょうか。投資物件をセレクトするにあたっては、いろいろなリスク、いろいろなリターンがあるので、「ああ、この案件にコミットせず、別のことをやっていたらなあ」などと思っても、まあ、意味が無いので、そこは、置くことにします。

初級者の頃は、勘で投資をし、失敗したときは、投資元本自体をすってしまった、といったことも多々ありました。この歳になり、経験やネットワークの功で、そのレベルの大失脚といったようなものはしなくなっているというのは、一つのことを確実に、長くやっていくことの大きなメリットですね。

しかし、資産形成という人生で重要な目標達成にあたり、行き当たりばったり的な道を辿った自分に比べると、冒頭のカップルは、高校を卒業した段階から意識的に、意味のあるビジネス経験を加速度的に積んでいっていて、本当に目のつけどころが違ってすごいなあと思います。

私が若いときは、人と違っているということで周囲に「変わっている」というふうに見られ、今考えると、自分は、よいポテンシャルを持っていたと考えることができればよかっただけなのですが、自信が持てず、盛んな「変わっているね攻撃」に対しては、「そうじゃないよ、普通なのよ、私を理解して」と反論するのに無駄なエネルギーを費やしていました。

しかし、この年になってみると、どれだけ、自分らしさを(嫌味なくですが)出していけるか、下手をすると、いかに、他人に邪魔されずに自分のやりたいことを追求するかということのほうが大切なんだということをつくづく感じます。

今私がやっていることは、日本どころか、米国においてすらも、世間の9割以上の人には、理解できないことです。不動産投資家であっても、業者さんであっても、大多数は、皆さん、私のやっていることはやられません。つまり、それが私のニッチなのです。これを読んでくださる方も、自分もそうだな、と思われる方が多いのではないでしょうか。何かしら専門性がなければ、周囲に役に立っていると認識してもらえないのですから。また、当たり前ですが、しかし、この年になると、お互い「あなた変なことで生計を立てているのね」などとは言い合わなくなります。

それに対し、中学校だろうと大学だろうと、すでにある程度個性が出てきている人間の画一的な集団を人工的に作り、全員に一律同じことをさせようとすると、いかに恐ろしいことが起こるかという(笑)。小さかったときは、「お友達と仲良く」遊んでもらうようしつけることだけが目標でしたが、子供に一通りの社会性がついたら、私自身のものの見方がころっと変わりました。

なので、自分の子供には、今後は、世間がいかに広く、自信のある人間ほど、自分がどれほど尖れるかを大切にしているのだということを、ティーンになっていくにあたって、伝えていくことができたらと思います。実は、そんな考えもあり、この秋から、ホームスクールしてもらうということで、子供の合意を取り付けました。大変楽しみです。

なんだか、近況報告に力が入りすぎてしまいましたが、いずれにせよ、今日お話したいのは、先週決済したこのディールのストラクチャー。

何が起こったかというと、

私が持っている物件の賃借人に、物件をLAND CONTRACTで売る契約をした。その際に、私の方も、相手の方も、弁護士を使い、LAND CONTRACT書類に合意をするにあたっては、それなりにやり取りをした。しかし、弁護士が決済代行会社に提出をしたはずの書類が、決済書類確認時には、いつの間にか、差し替えられており、最後に焦った。

というお話です。すみません、前置きばかりが長くて。

ランドコントラクトとは、

> 将来これこれの期日(通常1,2年後)に該当物件を買う約束
> その間、頭金を払い、家賃に変わる月極支払いをする

契約。

買う気がなければ万年テナントでかまわないわけですが、物件をいずれかの段階で自分のものとしたいと考える場合、買いたい方、テナントは、今、価格合意をしておけば、将来の値上がり対策になります。

それと並行し、銀行の融資を取る場合は、銀行に対し、「今住んでいるところを買うにあたっての融資申請」をするため、「新しい物件を買うための融資申請をする」より、時間の余裕があります。

そのため、普通は、融資を取るにあたり、困難が予測されるランクの買い手が、ランドコントラクトを求めます。1年、2年と目標を定め、ランドコントラクト締結後、ローンオフィサーと連携し、いわゆるCREDIT REPAIR(与信改善。日本でも自営業者は、ローンを組むため、確定申告を訂正したりしますよね)を行うわけです。

今回の案件は、商業物件で、テナントは、融資が取れない属性であるため、自己資金を捻出するのに数年の猶予がほしいということで、購入価格46万5,000ドルのうちの15万ドルを現金で差し入れ、残りは年率6%の利息を払うという合意で、3年間の契約をすることになりました。

実は、ランドコントラクトの条件が合意できたのは、2016年3月。MEMORANDUM OF UNDERSTANDING(ビジネス上の合意書で契約より拘束力は低い)という書類を取り交わしました。実質この時期を前提に、3年という期間を設定したので、最終返済日は、2019年。既に、1年分の利息もエスクロー(第三者預託)に積み上げられていました。

その状況で、この3月に実際のランドコントラクト契約を締結し、その旨を登記しよう、というわけです。

なぜ、合意を正式化するのにこれほど時間がかかったかというと、実は、この案件は、いわゆるCLOUD TO TITLE(名義に瑕疵がある)状況だったため、名義譲渡契約が締結できない状態でした。私の側で、それを解決するために、時間を要したのです。

ここまで来るのに相当な努力を要したので、最終決済書類が来たときは、私は、「買い手がサインするまで私は行かない、話がまとまるかは、予断を許さないから」と宣言していましたが、買い手が書類にサインをしたということで、3月25日気付の最終書類に目を通してびっくり仰天。なんと、弁護士が作成した書類をたたき台に、決済代行会社が21日に作成していたCLOSING DOCUMENTSの内容と比べ、この25日付けの最終書類は、重要な箇所が大きく違ってしまっていたことを、私が書類締結しようとした日に発見したのです。

もちろん、アポはキャンセルし、弁護士とブローカーにすぐ連絡をし、「21日段階のクロージングドックと内容が変わってしまっている!」という驚愕の相談をする羽目になりました。

しかし、タイトルエージェンシーの仕事は、本来、契約者相互の締結書類にもとづき、名義瑕疵保険を発行したり、保険や固定資産税などの支払いを済ませたりといった仲介役。契約条件を差し変えるなど、ありえません。あったら、訴訟になります。そのため、「誰がいじったのか?」「買い手の弁護士がひょっとして何か企んだのか?」と、大ごとになりました。


長くなるので、この記事は、連載(1)(2)としたいと思います。

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