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成長志向のあなたが海外投資を避けられない理由

対米不動産投資家の中山道子です。

最近、NYTに、「賃金はなぜこんなに上昇してしまっているのか?」というふうに読める記事があり、わかりにくい内容だったために、読者コメント欄ブーイング(「収入上がったなんてそんなことないから!」)がすごかったので、私も勉強のために、少しこの論点を考えてみました。

The Question Isn’t Why Wage Growth Is So Low. It’s Why It’s So High.

タイトルが悪かったんだと思いますが、注目は確かに浴びていましたね。実際には、この記事の概略は、以下の様なものらしいです。

「理論上、賃金上昇率は、インフレ率と生産性向上率の合計に一致していると考えるべきだ。しかし、ここ2年で見ると、管理職でない一般労働者の時給は、この数字の上昇率を超えて上がっている。逆に、それ以前には、賃金の伸び率は、両者の伸び率よりずっと低い時期が続いた。人手不足、完全雇用が続くと賃金が上がるはずだという理論も、歴史上、必ずしも正しくなかった。最近の研究で、賃金上昇は生産性上昇に一番関係が深い可能性があると指摘されるようになっている。しかし、それでは、どうして生産性が最近伸び悩んでいるかというと、これも、わからないので、今後そっちを研究していくべきかもしれない。」というものでした。

経済学の理論に実際の経済がマッチしない。

笑い話ではなく、どんな政策を取るべきか、また、政策を通して、世の中をどう良くしていくか、すべてが「よく分からない」というのですから、困ったものです。

しかし、賃金上昇自体は、ここ2年で見ると、たしかに割合順調。最低賃金が一部の州で引き上げられる傾向も追い風になっています。

これに関連し、SNSでちょっとつぶやいたら、「米国の景気は今後、上がるのでしょうか?」というコメントをもらいました。

実際には、2009年以降の米国の経済は、インフレ率を勘案した実質GDPの成長率を見ても、他の先進国に比べ、ずっと成績はよく、また、株式市場の好調ぶりも周知の通り。

確かに、今年、経済成長率自体は、4%は無理に思えますが、雇用率も高いですし、好景気という言葉を使ってもおかしくないようなレベルなのかと思う一方、こういう質問が出てきたり、みんなが、所得が上がっていないとブーイングする理由は、中産階級以下の個々の世帯の先細りが止まらないから。

興味を持ったので、賃金とインフレ率の関係を調べてみたところ、賃金関係のデータ調査で有名な求人求職サイト、PAYSCALE社のこんなインデックスを見つけました。


2006年からの賃金上昇率。すごいですね。10年で1割以上上がってます。

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しかし、インフレ率を勘案すると、実は、実質賃金は、1割近くのダウンと言ってもいいかもしれないくらい寂しい。インフレ率、すごっ!


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対する日本のインフレ率は、公称、1995年位から、殆どゼロなイメージです。

各国のインフレ率を簡単に調べるサイトがあったので、見てみましたが、韓国を含め、多くの先進国は、米国と同レベルでインフレ高騰しているよう。

日本でも、細かく見ると、実質上、物価は上がっていると指摘する向きもあるようです。賃金が下落しているから苦しく感じる、ということもありそうです。インフレ率ゼロであっても、名目賃金水準自体が、ここ数年を含めても、1997年の最高時に戻っていないのです。


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2016年連合賃金レポートより


ただ、日本の場合、個々の銘柄の上下は別として、株式市場も、この停滞ムードから脱却できていません。ゼロサムゲームです。。。

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GOOGLEより

こういう中、日本国内での今後の成長は、産業レベルでも、個人レベルでも、引き続き、相当難しいだろうことが予想されます。単発的に成功があっても、本当に局所的な状況で終わる感じです。

2004年以降、日本から海外に留学する人の数が減っている、特に米国には行かなくなった、日本の若者は覇気がないといった言説を見ることがありましたが、そもそも、社会が少子化している上、国内賃金、物価がこの調子では、教育費や生活費の内外格差に対応できないでしょう。

私が20年前に奨学金をもらって米国のアイビーリーグの大学院に留学したときには、年間支給額は250万、学費は、2万ドル強で、生活費だけを貯蓄でまかないました。今、同じ機関の奨学金は、300万に増えていますが、アイビーの学費は、4万ドルを超えています。留学したい学生が、中国行きを選ぶようになっているのは当然でしょう。

今後の日本人は、どうするべきか。

私自身は、これまで「誰でもが海外投資をするという必要があるわけではないですから」と言ってきました。私がやっていることを、誰にでも押し付ける気はありませんでした。

しかし、この20年の状況や今後の見通しを見れば見るほど、「逃げ切れる自信のある世代の人はともかく、将来が長い人は、個人資産形成対策としては、持ち家を犠牲にしてでも、投資をしていくべき。その際には、海外投資をポートフォリオの中に組み込んでいかないと、実質賃金の下落やインフレ対策ができない状態で老後を迎えることになる」と改めて考えるようになりました。

(資産総額が少ない場合に、持ち家を買ってしまうことが問題なのは、投資ポートフォリオの構成において、一つの資産を過大に所持してしまうことになり、リスク分散ができなくなるからです。家の価値が下落したら、投入した資金は、リターンどころか、ロスになります。老後資金が心配なら、逆に今のこの時代には、私は、”家を買わないで、ライフスタイルに応じて賃貸を渡り歩く”ほうがメークセンスすると思います。賃貸生活は確かにその時期だけ、割高感が生じえますが、実際には、資産形成後、子育てや通勤が関係なくなってから割安の築浅中古をキャッシュで買うことが可能になりますので、「一生賃貸」vs「子供や通勤に便利な持ち家」という構図自体が間違いです。)

米国の場合、平均的な実質賃金こそダウンですが、上位層の所得増は、バブル崩壊後むしろ加速しており、また、不動産関係のインデックスであるケース・シラー全国インデックスを見ても、(個々のばらつきがあるのは当然として)不動産市場は、既にバブル崩壊前の水準に戻っています。

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FRED ST LOUISより


株式市場に至っては、ウハウハ状態が止まりません。

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S&P500インデックス

これは米国内株式市場だけではなく、世界株式市場も、これに準じた成長を見せています。


今、政府=庶民の生活を守ってくれるという構図は、大国ランクの国においては、どこの国にも、ありません。(規模自体が小さい県みたいなサイズの国は出来るのかもしれませんが。)

なので、日本のみならず、米国でも、平均的な賃金を前提とした生活防衛をしていこうとする限り、必ず取り残されることになるでしょう。

しかし、自分の周囲、目につくところが景気が悪いから、本当に景気が悪いのだろう、世の中はそんなものなんだろうと諦めてしまうのは、早計で、成長しているところは、実際、景気絶好調なのです。

なので、その成長しているところに目を向け、投資をする、そのことでおこぼれに預かっていくことで、頭一つ抜け出す方法を追求していかなければいけません。

うまく立ち回れば、デフレの日本で地味に暮らし、成長する海外市場の投資で増やした資金を国内生活に還元していくことも、非現実的ではありません。日本国内でお子さんの教育資金を多少積み立てしても、為替対策にこそなれ、18年後の教育費対策としては不十分な可能性が高いです。デフレと言いながら教育費はアップしていますよね。

しかし、お子さんが赤ちゃんの時に海外投資をし、18年後、依然デフレ状態の可能性が高い日本に持ってくれば、相当な意味があるものとなる可能性が生じます。もちろん、お子さんが海外留学を希望される場合はなおさら、「ダメ」と言わずに済むわけです。

私自身は、更に極端に、2011年から2016年まで、「中国で生活をし、米国で投資をする」ということをやっていました。生活費は安く、利益は高く、しかも子供は中国語ができるようになり、いい事だらけ。周囲には、「なんでわざわざそんなことを」とよく聞かれましたが、その”逆張り”効果には、目覚ましいものがありました。

為替レートは常に意識しないといけませんが、実際には、今の水準(2017年6月上旬1ドルは110円ほど)は、長期資産形成的観点から見ると、バブル時より円高。今すぐ必要になる手持ち資産をつぎ込むようなことをしなければよいのです。

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今や、国際投資は、ライフ・スキルになりました。私の国際転居のケースや海外留学の例でもわかるように、ライフスタイルの違いをももたらします。

学校では、何も教えてくれません。私もそうでしたが、自分の周囲では、まだ誰もやっていないこと、NISAなんかもそうですが、皆さんの親御さんでもちんぷんかんぷんのことをやっていく必要が生じているのです。

今後、情報を見極め、また、試行錯誤をしながら自らの実践スキルを磨いていく、そんな生涯学習の必須科目が、「投資」、そして日本の現状を前提にすると、勉強の半分は、成長機運がある海外について行っていくことが、必要です。

微力ながら、また、不動産中心の限られた観点からではありますが、このブログでも、引き続き、お役に立つそんな海外の情報を、お届けしていきたいと思います。


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