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デトロイト編 Prime[最高]なテナント像一例

私たちが購入する物件は、2万ドル台が多いので、「そんなに安くて、どうして、現地の人は、家を買えないのですか?」と質問される場合があります。

市内の世帯年収は、統計のとり方にもよりますが、2万ドルから3万ドル台。

上の質問される方には、「東京で、1,000万稼いでいる人の何割が、1,000万の金融資産をお持ちでしょうか?そして、そういう方が、ちょうど、1,000万の貯蓄があったら、それを、自宅確保に、全額、投入できますか?そんなことをされる方は、多くはないのではないでしょうか?」とお答えしています。

さて、それでは、200万代で生活されているというと、どんな感じの賃借人が、賃貸をしてくれるのか?

これも、「生活保護ならわかりやすい」と思われがちですが、実際には、私たちの物件の多くは、2万ドル台のランクの収入で生活される一般の方。アメリカでは、このランクの年収は、公務員や学校の先生でも珍しくありません。日本でも、現在、300万生活、そして、今は、200万生活といったライフスタイルの中で、節約しながら、しかし、家族のために、安定を確保し、心豊かに生活することが、重要な課題になってきました。

例として、ここに、最近実際にあった賃借人の申請詳細を見てみましょう。


当社案内の3万ドルの物件に、675ドルで、入居が決まったあるカップルの例です。


申請書のファイルをダウンロード


女性:
勤続5年
給与1,700ドル

彼氏:
障害者手当て月額799ドル

年齢もすでに高く、子供は独立しているので、二人だけ。

賃貸履歴:
現在の住居に3年

転居希望の理由:
ダウンサイジング。現在の賃料は、763ドル。


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プラスポイント


字もきれいで、秘書や教師などによくありそうな、オフィスワーカーの教養を感じさせますね。

現在の住居を、出て、家賃が安いから移る、というのは、「現在の敷金が帰ってくる自信がある」からでしょう。きちんと、契約上の告知をして、敷金を取り戻し、それを、当方の敷金に当てるわけです。物件は、リニューアルしていて、とてもきれいですから、多分、住居環境も改善するということで、総合的に、「こっちのほうがいいや、今後支出を抑えるに越したことはないし」となったのでしょう。将来の布石を打てる計画性がナイスです。

勤務先は、医療関係のところで、隔週ペイだそうです。アメリカでは、隔週、週給、どちらも、よくあるパターン。同居人の男性は、結婚している相手ではなく、ボーイフレンド。

照会先(日本のように連帯保証人ではありません)として、あげている親族は、「娘」、「いとこ」、そして、「母」。全員が、313のデトロイト市内電話番号。近親者が、これだけ、地元にいるのですから、容易に家族を離れることはないでしょう。

あえて心配をいうとすれば、同居のボーイフレンドがいなければ、これだけの家を維持する収入が、足りなめなこと。過去3年間は、最低同居していたようなので、年齢も進んでおり、落ち着いた関係なのかもしれませんが、そうしたことが起これば、この方が、この家を維持させるためには、ルームメイトや親戚を同居させるしかないでしょう。

日本と同じで、よりプロフィールがよいほうが賃貸人になり、(属性が悪い方との)共同の契約は、後々、トラブルが生じると、面倒になるので、向こうが、結婚していない限り、こちらからは、避けます。

ということで、契約書では、テナントは、あくまでこの女性一人で、ボーイフレンドは、共同賃借人としては、名義を計上していません。

同居することはわかっていますが、契約上は、テナント以外の長期滞在者がいる場合は、相談となりますので、この彼と別れることになれば、新しい共同生活者を迎えるとき、当方管理会社に相談をする必要があります。家賃回収や修理などで、家に立ち入ることが多いので、異変があれば、すぐわかるでしょう。

デトロイト市内の方々は、extended family(アングロサクソン的な核家族でなく、ラテンの方々、日本人やアジア人にも見られる拡大的な家族観)の感覚も結構あって、このボーイフレンドが出て行けば、独立したお嬢さんが同居するといったことも、ありえます。よくあるパターンとしては、「子供をつれた、シングルの女性」だったりすれば、おばあちゃんとの同居は、お互いメリットがあります。

アメリカでは、離婚率は高いですから、子供のいる夫婦であっても、別れるかもしれないことは同じ。夫婦仲を回復させるために家を買おうとして、入居前に別れる例なんて、フツーにレアルターさんから、聞くことがあります。その意味では、「内縁関係の同棲相手」しかいないといっても、別段、この方の属性は、変わらず、良好と判断できると思います。

このカップルが、この物件に、3年、5年と居住してくれれば、まさに、ハンズフリー、ケアフリーの「忘れていれば、チャリンチャリンとお金が入ってくる」遠隔投資が、実現してしまうかもしれません。

ただ、毎回ご案内のように、万事、うまくいくわけではなく、実は、この物件をお買い求めの投資家様は、これが、2軒目であるところ、1軒目は、年始早々、強制退去となってしまいました。未払い賃料は、1,600ドルに上ります。

そちらは、管理会社が、「返済計画に合意したので、冬の間、空室になるよりは、こういう場合でも、catch upできる確率というのもあるものだから」ということで、結局、逸失利益は、数か月分になってしまいました。

実は、そちらのテナントも、地元の病院にきちんと勤務し、同ランクの年収があり、過去に市内で、強制退去判決を受けたことがなかったので、本来の審査では、危なげなところは、特段ありませんでした。勤務先はわかっているので、給与差し押さえの手続きを手配するよう、今、相談をしてみています。

ただ、一般には、こういう残債追求は、時間、手間というリソースがどの程度あるか、どの程度執念深く行動するか、という話になってしまうので、残念ながら、多くの場合は、小額であれば、「手間にならない」という判断になりがちです。今回も、うまくいくかは、こうしたことを上手にやってくれる業者さん/弁護士さんと付き合いが確保できるか、にかかってくるので、今年は、そこら辺を、がんばってみようと思います。(難しくはないが、手間がかかるので、相当丁寧な人でないと、回収手続きを成功させられないが、小額だと、その報酬の問題なども出るのでなかなか難しい)

いずれにせよ、1軒目のほうは、1軒目のほうで、「申し訳ありません。こういうこともあります。管理会社も、再入居まで、がんばって、迅速に対応するといっていますので、また安定させられるまで、ご理解ください」としか、いえないものです。

管理体制がしっかりしていて、かつ、都市環境のファンダメンタルに大きな異変が起こらない限りは、一般に、いくつかの物件を、数年持つ間に、ポートフォリオが落ち着いてきて、数年居住するよいテナントの比率が高まってくるものです。

この投資家様は、そうした事情をわきまえられ、「いいこともある、悪いこともある。しかし、継続していくことに意味がある」と、投資家生活を、長期的な視野から、in stride【どっしり構えて】で送られ、普段は、多忙な本業に集中されています。


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ご注意


たまたま、取引先が入居させた案件で、申請書を、こうして見せてもらい、情報をお伝えする意味があると思ったので、ご説明をしていますが、管理会社の客付けの場合は、通常、テナントのプライバシー管理をする義務もありますし、あまり詳細を聞いても、どうなるというものではなく、管理自体を一任する契約であることもあり、入居案件についての具体的な詳細は、オーナーに対しても、細かくは伝えてきませんのでご理解ください。

ただ、オーナー様で、実際に現地にお越しになる方は、テナントさんに挨拶をして、物件内立ち入りなどしていただけています。一般論としては、日々のテナント対策は、管理会社の方針に任せていただき、テナントのプロフィール等については、あまり細かく心配されず、何か言われたら対応する、といった形で、ご協力いただければ、幸いです。

中山からのお願いです。
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