Quitclaimとは何か 権原放棄/委譲
現在、非営利のほうの団体50周年記念プロジェクトで、走り回っており、ブログ更新が進まず申し訳ありません。
しかし、過去の量は膨大なので、この前お便りを頂戴した方には、全部読破は、気が遠くなると、言われました、、、笑
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中山さんのブログに関しては、時々読破するのに気の遠くなる感じがすることがあります(汗)
もちろん情報量が膨大なためなのですが、これほど多くの情報を無料でシェアして頂き、
読むのが大変だと弱音を言えること自体がものすごく贅沢な悩みだと思います。
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他にも、「ブログをまず読破したら、DVDセットを買う」といってくださっている方もおり、がんばってアップしてきた甲斐がありました。
最近は、デトロイト方面では、複数軒お持ちのお客様も増えており、この前は、各種打ち合わせが多かったため、時間の余裕を作っていただく必要があるということで、会社をお休みしてきていただきました。
この方は、今回、3軒目を取得されたことを機に、
■法人化/現地LLC立ち上げ
■物件の保険を、割安の投資家向けの保険に切り替え
■個人名義で持っていた2軒は、法人に現物出資
■6月にご同行し、法人名義での銀行口座を手際よく開設する下準備
■過去取得物件のタックスアピールについての進行報告
といった各種の打ち合わせや手続きが必要になり、これまでにも、細かくメールのやり取りを繰り返して、ようやくこの日を迎えることができました。
通常、決済時の書類のご説明にいただいているのは、小一時間、大使館がすいていれば、合計1時間半で終わらせることができるのですが、この日は、銀行へのご同行やランチもご一緒させていただき、朝の9時から、丸々、4時間以上、お時間を使わせることになりました(この余裕がない方は、前の日までに書類の説明は、PDFを送っておいて、電話で済ませ、大使館が8時半に開くのを待って、一番で駆け込み、9時前に出てくるスタイルで公証手配をすることが可能です)。
出張がちなこのお客様は、数週間前から、この日は有給を取って、万全の態勢で挑んでくださいました。
日本国内では、区分所有投資に相当経験がおありになる方なので、ご説明も、すぐ納得して下さいますが、しかし、日本にないシステムが多数あるのが、アメリカの魅力でもあり、、、、
ということで、そのひとつが、quitclaim deed【quit claim deedと書く場合もある】という書式です。単に、略式には、quitclaimとか、quit claimと呼びます。発音は、クイットクレーム。
これは何かというと、正確に日本に同様な書式がないので、弁護士先生が使うような英米法辞典でどう訳されているかは、私は、確認していないのですが、権利放棄/譲渡証書といったところでしょうか。
Claimは、日本語化しているクレームという言葉そのもので、ここでの意味は、権利を主張する、という意味のクレーム。
Quitは、やめる、ストップするですね。
つまり、「これこれの物件に対する自分の権利を主張することを放棄することを法的に約束する」書式です。
なんで、譲渡契約書のほかにこういうものが必要なのかといわれれば、あるいは、大陸法的には、論理的な説明はないのかもしれませんが、英米法はコモンロー(慣習法)の国ですから、昔から、そういう形の書類があったのだとしか言いようがないのではないでしょうか。
用途は、いろいろ、あります。大変、重要な書式です。
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クイットクレームの用途の例:
■夫婦間の財産法に関連し、既婚オーナーが、、配偶者とは別の単独所有形態を希望するとき、その旨の夫婦間合意を、第三者に公示するため、「一筆入れてもらう場合。」離婚時トラブルを事前回避するため、婚姻中に単独取得する物件を登記するとき、あらかじめ、使ったりします。
■売買の実体がないのに名義が変わるとき、オーナーが、名義書換登録を一方的に指示する。この方のように、自分の所有する会社による物件所有へと切り替える場合、資本の現物出資であって、売買ではないので、この書式を使います。
他にも、投資家間の現状ママ(現状有姿、物件の状態のみならず、権原についての現状ママも含む)取引、、、
コストは、通常、recording fee(登記代)程度。この方は、2つの物件をクイットクレームし、合計〆て、196ドルでしたから、日本のように、夫婦間であっても、名義を書き換えると、何十万単位の登録代(登録免許税 不動産の固定資産税評価格×4/1000、登記事項証明書1通につき1,000円)がかかるのと比べると、便利にできています。
また、これは、名義書換の手続きなので、その実態が何であって、申告を要するか、また、どう申告するかは、アメリカの税理士と相談して、IRSや州への確定申告で計上する問題です。
これ以上、細かい説明をししても、まったくわからないかもしれません。
日本の民法は、本来、大陸法系、つまり、「まず条文を作っていく」スタイルの、ナポレオン法典やドイツ民法が基礎となっているので、本来、ロジカルに、できている建前です。
それに対し、英米法は、「こうなっている」「こう使う」といった説明であって、なぜ、のようなことをいちいち聞いても、「それはね、歴史をさかのぼると、イギリスの荘園制の時代に、領主の息子の相続問題や軍役問題を回避するためにね、、、」といった話に陥りがちなので、深追いしても本当に仕方ありません。
ということで、ここまでさかのぼる必要はないのですが、他方では、経験主義のアメリカの不動産法の仕組みについては、現代アメリカの文化背景全体と絡めて、制度や書式を総合的に、理解することが必要なので、そこを、実践レベルまで理解していただくには、正直、本当に、実際の投資を何年かしていただくというか、私のDVDでも買って、全部3回くらい見直していただくくらいしかありません。
クイットクレームに限らず、不動産関係の書式には、古語が出てくることも多く、know all men(ここにに衆人に知らしめることとす)とか、unto(に対し)とか、herewith(これをもって)とかいった「今じゃ使わないよ!」的な古文が、バシバシ出てきます。別段、意味が通じれば、現代語にしてもいいと思うのですが、これも、「そういうスタイルの書類だ」と思考停止するしかありません(笑)。
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延々説明を終わり、決済も完了。無事、昨日、下のようなお便りを頂戴しました。
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中山さま
昨日はお手間をかけていただきありがとうございます。
ましてや物件も好条件でありがたいことです。
こういった事があるとやっていて良かったとしみじみと気分に浸れます。
さてと、現実に帰れば残った空室対策です。家賃設定が誤っているのか、敷金または権利金設定の誤りかはたまたインセンティブを付加しなければならないのか。明日は業者にデータを出させて調べてみます。
二足の草鞋は時にはまったくクタビレてしまいます。
でも、会社でパソコンを前にデスクに向かっていると身体が楽で、また幸福感があるんですが。
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このお客様は、「初期に買って、中を見たことが一度もなかったワンルームに、立ち退き後の修理手配のために入ったら、洗濯機スペースがなかったので、ユニットバスも合わせて取替え設置で、70万です」と苦笑いされていました。お昼を終わったあとは、その足で、修理手配に赴かれ、晴れの休日は、どうやら、一日、お仕事モード。
他方の私は、各種書類の原本を、EMSで、タイトルカンパニーに送り、ほっと一息つくことができました。
ですが、アメリカ投資のほうについても、これは、決済においてしなければいけないことや、日本にいる間にしなければいけないことが終わらせられた、というだけで、アメリカにご一緒にいっていただき、今度は、銀行の口座開設の手配や、ついでに、CPAによるLLC経営ブリーフィングに基づく申告スタイルの選択や、それに関連しての弁護士との打ち合わせ、銀行員との口座開設のやり取りなどを、ご一緒にしていただかなければいけないわけです。
こういった必要もあるため、「その場で、いろいろな人と打ち合わせできる」よう、デトロイト出張の初日ディナーには、10人以上の関係プロフェッショナルを呼びつけてあるわけです【こちらに、手配紹介記事を書きました】。
実は、単なる、お楽しみ会ではなく、すでに投資をされているお客様や私にとっては、一度に複数プロフェッショナルを前に座らせて、関係する立場の人間が全員、打ち合わせを同時進行させる、ウルトラ・ワーキングディナーになるでしょう。
これは、旅行者だから、一度に済ませないと、ということもありますが、もうひとつ、一人の人間のアドバイスだけに基づいて行動するのも、よくないことがありますので、いろいろな専門のプロフェッショナルのかたがたとのグループ会議で、一挙に、打ち合わせを進めるというのも、見落としを拾い、トランスペアレンシー(透明性)を確保したり、投資家様の利益を保護するという観点からいっても、意味のあるステップなのです。
このように、投資が順調に進めば(順調に進まなくてもですが)、お手間は、さらに、かかるようになっていくものです。
よく、投資をまったく経験されていない方は、不労所得に対する過大な夢をお持ちですが、実際に資産を丁寧に管理するということは、それ自体が、「仕事」化するのだということを、よく覚えおくべきです。
このお客様も、はっきり言って、不動産投資が趣味で、本業と、日本の不動産投資、アメリカの不動産投資と、遊んでいるのを見たことがありません。生きたお金を使うことをケチったりといったことは、絶対されませんが、他方では、いわゆる無駄遣いは、おキライで、服装も、地味。これが、私が存じ上げている、成功する小規模不動産投資家の典型的なスタイルだといって間違いないでしょう(女性の場合は、結構おしゃれやライフスタイルを充実される方もおいでになります)。
昔、若い人に「そういうのは、お金があれば、全部、人に任せられるのではないのですか?」と聞かれました。
答えは、「それは、そうです。但し、手数料を払って、その相手に、いいようにだまされたければね。」です。
子供の利益は親が見ることが大体可能ですが、大人になった人間の利益を、赤の他人が、そんなに一番に考えてくれるかもと思ったら、相当甘いですね。向こうが、害意がなくても、行き届かないことだってあります。自分より熱心に自分の利益を守ってくれる人は、いないのです。
私がお手伝いする場合も、私は、ファシリテーター、コーディネーターをすべてのプロセスでつとめますが、私自身も、プロフェッショナルな資格でアドバイスをする立場にはないわけですから、個別具体的な、たとえば、ここに出てきたような、弁護士やCPA、銀行との打ち合わせは、私を「通訳」と位置づけながらも、直接、お客様が、やり取り、理解、決断を下される必要があるわけです。
