コミュニケーションの大切さ Reaching Outは、ただなんだけど、、、
最近、いろいろな方とお話やお仕事を進める中で、特に感じるにいたりましたが、コミュニケーション力とうのは、ひとつの、資産ですね。
逆に、私も含め、いかに多くの方が、「コミュニケーション力のなさ」で、苦労しているのか、と思わさせられます。
「コミュニケーション力」は、いろいろな様式をとりますね。
たとえば、語学力。
私は、英語ができますので、それ自体、ひとつのコミュニケーションチャンネルとして日本人としては、まだまだ、「貴重」と評価していただいているようです。もちろん、オランダのような(数ヶ国語を操るのが普通な)ところで、「私は日本語と英語ができます」といっても、ビジネス上は、「それだけ?フランス語すら、できないの?」となる可能性がありそうで、語学力にも、上を見ればきりがないです。
業界独自のコミュニケーション力というのもあります。
私の知っている不動産業界も、専門用語が多いところ。ここで、業者さん用語が容易に操れるところまでいける投資家は、「セミプロだな」と判断され、知識に見合った案件が紹介されるようになるでしょう。逆に、「これはどういう意味ですか?」「あれはなんということですか?」といちいち聞いている人がいたら、その人に、いくら熱心に言われても、「オイシイ案件」を持ってきてくれる業者さんは、あまりいないのではないかと思います。「この人の今の状況だと、このくらいがちょうどかな」となるからです。
もうひとつ、「人間力」とでもいったコミュニケーション力があるような気もします。
魅力的な人、人脈を大切にする人、がんばり屋さん。自分から人に与えていく人。感動が与えられる人。いろいろな人間力がありそうですが、そうした地ジカラで、普通の人には達成できないゴールを達成していくリーダー気質とでもいうべき力も、ありえます。変な造語ですが、常識力や、相手の立場をおもんぱかる力も、こうした、「一般コミュニケーション力」においては、馬鹿になりません。これがあれば、「語学力」や、「業界知識」なんて、吹き飛ばせる、そんな力が、人間力には、あります。これは、上二つと比べ、誰でも、「ちょっと今よりがんばってみる」だけで、今日、明日から、向上させられる力ではないでしょうか。
今日は、こんなことがありました。
私に、下のお問い合わせがあったのです。
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現在、アメリカの不動産でトラブルに遭遇をしています。
恐縮ではありますが、なにかアドバイスがあれば宜しくお願いします。
中略
1990年に日本でXXX州に3件のタウンハウスを購入しました。
日本人女性が経営をしている会社でその後、日本事務所は閉鎖され
現地事務所がテナントの管理を実施して、年に1回程、家賃等を
送金して貰っていました。
現地での管理会社の経営も苦しそうでしたが、長くおつきあいを
してきました。
ところが、最近、現地に送金を依頼しましたところ、振り込みがされず、
その後は連絡がとれない状態です。
相手の携帯電話は留守番メーセージで、メールも返信がない状況です。
中略
どのように対応をして良いか判らない状態です。
なにかアドバイスはございますでしょうか?
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1990年というと、20年近く前です。丁寧な物言いの方で、相当恐ろしいことが起こっている可能性があると思われている様子ですが、あわてている割には、私なんかにも、きちんとしたご挨拶をしてくださっています。
知らない方からのお便り内容は千差万別で、常識を疑うような内容もあります。「今会社で契約書の翻訳をやらされているんですが、○○という英単語は、なんて訳すんですか?」なんていうのも多く、読んだだけで疲れることも多いので、書き方だけで、好感度アップ。これは、熟年ならではの、この方の人間力ですね。
さて、好意は持ちましたが、困ったなというのが正直なところ。ただ、ちょっと様子を見るくらいなら、たいしたことではないので、記載されていた業者さんの電話番号にかけてみると、たまたま、一度で、その経営者がお出になりました。
今、日本語のできるスタッフを減らしたので、日本語のやり取りが遅れており、その方にご心配をかけられたことをしきりに恐縮されていました。
一挙に親近感を持ち、最後は、「業界トーク」。機会があったら、ぜひ、遊びにどうぞ、というお言葉を頂戴して、電話を切ったのです。
問い合わせをされた方は、戦々恐々。業者さんは、大丈夫かしら、営業、まだ、されているのかしら、それとも、まさか、物件を、いつのまにか、売り飛ばされてしまっているのかしら、、、と、最悪のケースを想定しているよう。
私も、業者さんと話す経験はそれなりにありますので、大体、相手のおかれている立場やお力といったものを、短時間に観察することには、結構長じてきていると思います。誠実な方だと感じましたし、明細等の案内は、郡の固定資産税の請求が立つのを待っている状態だということでした。事実、その旨、一度返信したけれど、それ以降は、その方の留守電などには対応できていなかったということで、しきりに恐縮しています。
家賃等の報告は年いっぺんというのは、お互いの手間を省いてのことでしょう。彼女の場合、日本側のお客さんは、米ドル換金に苦労されるので、毎月やり取りするより、手間いらずで、そちらのほうが、いいと思われている方が多いということでした。これは合意の上のことで、私の周りの方だったら手間になっても、毎月確認するほうが安心されると思いますが、この方がお世話されているのは、「あまり面倒は困るなあ、難しいことは人に任せたいよ」というタイプのお客さんなのです。
しかし、この日本在住のお客さんは、お便りからしても、常識も思慮もありそうな方なのにもかかわらず、20年来のお付き合いのこの業者さんと、人間関係が、まだ、できていないのかな、と、実は、このレアルターさんの苦労を思い、悲しくなりました。
私は、両方の立場がわかります。どちらに同情するかといえば、この場合は、断然、業者さんです。
このレアルターさんの場合、物件は、彼女が仲介した案件で、ただし、管理は、管理専門業者さんに任せており、報告だけ、日本語でのやり取りが必要ということで、彼女が、お手伝いをしているということでした。20年前、日本がバブルだった頃、一度、アメリカ不動産投資がはやりましたね。その頃、日本でオフィスを構えていたので、そのとき、日本在住のまま、物件購入を決められたお客様のお手伝いを、引き続き、されているのです。
固定資産税額の算出を待っていまして、というこのレアルターさんの返信メールは、届いていないのでしょうか。メールのやり取りには、不確実性も伴いますし、細かい事情はわかりませんが、固定資産税の算出時期は、通常、役所側で決まっていますので、この男性は、例年の報告が来る時期を、少し早めに思い違いしていただけではないかという気もします。
いつもは、放置プレイで、状況がよくわからないままでも、面倒なのでおいておき、自分の都合のときだけ、突然、相手のレスが、遅れているだけで、大慌て。
件のレアルターさんも、「日々の業務では、外出が多く、余裕がないので、お客様に、細かく事情をご説明する時間もとりにくく、また、それだけのご説明を希望される方もまれで、、、」と苦笑されていました。確かに、20年間のお付き合いのお客様に、いまさら、「ここら辺のの固定資産税はね、こうなっていて」なんて、やりだす段階は、過ぎていそうです。しかし、その結果、ずいぶん、恐ろしいことを、想像されてしまいましたね。
この投資家様も、私のPCセミナーを受講していただければ、妙な勘繰りはしなくてすむレベルの知識がつくとはいえ、いまさら、あまり難しいことを学びたいというわけでもないだろうし、これまでどおり、何とか平穏にいけばいいと思っておいでかと想像します。なので、いまさら、「語学力」や、「知識力」向上を、なんて声高に指摘しても、この方も、かわいそうですが、しかし、ぜひ、もう一歩、「人間力」分野で、リーチアウトしてあげると、業者さんも、助かるんじゃないかというのが、私の見立てです。
ということで、下のようなメールを送ってみました。
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不動産管理は、大変な仕事です。大変良心的な素敵な方のようにお見受けしました。
アメリカはあまり旅費も高くないし、こんなときこそ、遊びに行かれて、顔合わせなど
され、物件など見たり、現地事情に触れ、日本からのお土産など手渡して、日ごろ
のお手伝いに感謝の気持ちを示されたりすると、お互いのコミュニケーションが
スムーズになるかもしれませんよ。
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嗚呼、自分の守備範囲や、他人の問題は、「こういう状況だな」とすぐわかりますが、自分が渦中にあるときは、この単純なことが、わからないんですよね。自戒の言葉なんですが、皆さんも、そういう経験、ありませんか?
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