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アメリカの不動産は、物件の差別化では争わない?

おととい1月30日は、久々の英語塾再開で、楽しく過ごせました。新しく開始された方も、半分くらい加わり、2クール目の最後に、今回のリーディングを担当してくださったYさんが数ページ、残りは、初回ということで、担当が、決まっていなかったので、私が、行いました。私がやることのメリットは、皆さん多少休憩しながら、勉強できるのと、早く進むことでしょうか。

不動産コンサルタントの尾浦英香さんが、週末の神奈川でのセミナーにあわせて、遊びに来てくださり、最近の日本の不動産事情などを教えてくださったのが、うれしかったです。

ブログでは、この前、海外投資の融資付けは、主として、金融機関側の事情で、大変難しくなっているというお話をしましたが、日本は、そこまでは行かず、順調に不動産オーナー業を経営されている方だと、なんと、1.5%といった金利に基づく投資融資が、内々にオファーされているのだそうです。

但し、日本でも、”これから投資を始める”方への融資は、なかなか、ハードルが高く、やはり、金利は、4%台、しかも、キャッシュをたくさん持っている等のバッファーが必要だということでした。皆さんの投資志向は、ますます盛んだということで、首都圏近郊では、やはり、よい物件と目される案件は、足が速いそうですね。

しかし、大先輩、ベテランの尾浦さんのご指摘のように、大体は、”そこから”が、スタートなのであって、表面的な数字というのは、”それに向けて、実現していく”といった目標として、位置づけるべきものではないかな、と思います。

エントリー時には、そこのところが、なかなか、十分、認識できないことが多いです。私自身が、そうだったので、そのことを強く感じます。

尾浦さん自身が、コンサルを引き受けるときは、”その物件のリフォームや満室対策をどこら辺に落とし込むか”を逆算するためにまず行うのが、”エリア視察”だそうで、これを丁寧に行うことにより、”当該物件をスタート/再生させるのに、なにが、どれくらいのレベルが求められているか”が、定まるのだそうです。

もともと、競争力があるエリアであれば、ある意味、”近隣類似競合物件”が提供している以上のレベルを提供する必要がないことがわかり、他方では、競合が乱立して、市場が手ごわい場合は、担当した物件を、相当、作りこまないといけないこともわかる、そして、市場調査をした後の実際の方策としては、どんなテナントさんを求めるかという、具体的なテナントさん像を設定し、そうした方に喜んでいただける、そういう、相当細かいマーケッティング戦略をプランニングされる、そうした努力を注入する必要があるそうです。

尾浦さんが本を書いてくださればいいのですが、多忙で、なかなか、まだ時間がかかりそうですので、日本の物件の投資家のみなさまは、皆さん、ぜひ、彼女のセミナーに出る機会がありましたら、それを逃さないでください。また、セミナーに出るだけではなく、自分で、空室対策をするとしたら、相当な努力を注入する覚悟が必要だということを、ビギナーの方は、認識するべきですね。


さて、そんなわけで、英語塾の次回の進行表は、順調に決まり、助かりました。次回2月13日土曜日は、99ページ、Sometimesからです。2ページずつ担当してくださるお三方、よろしくお願いします。

対米遠隔投資の話に戻りますと、そもそも、オーナーは、不在で、基本は、管理丸投げとせざるを得ませんので、日本国内の投資とはまったくやり方が異なり、しかし、努力が必要でなくなるわけではありません。

日本在住者が、対米投資をするにあたり、私自身が、気が付くところを、イメージ的に比較すると、以下のようなことがあるかもしれません。


+++++++
アメリカの不動産賃貸は、物件の差別化では、必ずしも争わない。
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日本では、20平方ないようなワンルームであってすら、オートロックはもちろん、ウオシュレットやお風呂の追い炊き機能、宅配ボックスなどなど、女性に入ってもらおう、といった”満室戦略ノウハウ”が、一見、盛んに見えます《但し、これらを真剣にやっている大家さんの比率自体は低めかもしれませんが》。

これに対し、アメリカの一般的な不動産事情では、ここまで、utilitiesのプラスオンというか、強化戦略は、ありません。標準的な設備は大体お約束があり、中流家族向け物件なら、

オーブンレンジ、洗濯機、ドライヤー、冷蔵庫、ディスポーザー、電動式の2カーガレージ

位がお約束。色使いについても、ベージュから白系で統一する一般的な動向以上のものをしないといけないといったことが書いてあるアメリカの投資本というのは、あまりお目にかかったことがありません。もちろん、家具つきのバケーションレンタルなんかの場合、デコレーターをつれてきて、色調や調度を統一させることは、一般的ですが、ここでは、2,000ドル以下で貸し出される基本の一般向け長期家具なし賃貸に話を絞りましょう。

全部網羅しているわけでは毛頭ありませんが、管理に言及するアメリカの投資本を読むと、

■テナントのマーケッティングの方法
■テナントスクリーニングの方法
■契約書を有利に起草するポイント
■毎月のやり取りを効率化するためのノウハウ
■優良テナントに再更新してもらうための手口

といった項目はたくさん並んでいたりして、その一部として、場合により、テナントさんに、「内見の日に契約してくれたら、ギフトをプレゼントすると言ってみよう」とか、「内見の時、お花を飾っておくと素敵」といったくらいまでのことは書いてある本もありますが(但し、稀)、物件自体の差別化、ましてや、設備のアップグレード競争は、アメリカでは、どうも、まだ、指南本レベルであっても、一般的に見えません。

これを、どう評価するかについて解釈を持てるほど、私には、日米両方の知識がないのですが、仮説をあげるとしたら、

■日本ほど、供給過剰でない
■日本ほど、物件が多様でない
■顧客層が、日本人ほど、”品質管理/提供レベル”に細かくない

といったものでしょうか。

投資賃貸戦略としても、尾浦さんの主要な提案ともなっており、ハウスメーカーが早くからターゲッティングをしているような、”主婦/女性のハートをつかもう”といったような戦略は、アメリカでは、それほど、明瞭には、存在しえません。

これは、部分的には、気をつけないと、こういう言い方は、アメリカでは、”性差別”になるという意識が、大変強いだろうということが、思い当たります。不動産業者など、ライセンスがある方々は、特に、性別や人種等の”protected category、”つまり、人権問題上差別カテゴリーのイメージが大きいカテゴリーに該当する物言いをしてはいけないという、そういう、職業的義務があります。

また、事実、アメリカ人というのは、結構、多様で、女性だから、こういうものを求める、といったような一般化が、多少難しい、また、主婦層的女性という層をターゲットしても、人種により、行動パターンが変動する、といった現実もあるのではないでしょうか。家の中の決定権は、女性にあるから、キッチンの配色にこだわりましょう、などとアメリカ人相手にレクチャーしても、「眉ひそめ」や、「メガテン」状態を引き起こす可能性は、大きいでしょう。

もちろん、そうはいっても、アメリカでも、マーサ・スチュアートのようなシンボル的カリスマ主婦に代表されるような層というのは、確実にあって、自分から、”自分は女性で母親だから、キッチンにはこだわる”といったことをいうのは、OKというか、普通なんですが、、、よい子の皆さんは、日本とはまた別の意味でのウルトラ建前社会アメリカの常識については、深く考えず、"When in Rome(郷に入っては)"で、そのまま、受け止めましょう。

ということで、アメリカであれば、ターゲティングする側からすれば、「ペアレント(親。母親という言い方も、NG色強し)であるテナントさんというのは、ご家族にとって、大きくて明るく、作業効率のよいキッチンを望まれるのではないでしょうか」といった言い方になるはず。

ちょっと脱線しましたが、そうであるにせよ、賃貸物件に、そこまで細かい目を注ぐには、アメリカでは、投資指南本やグルーレクチャーレベルであってすら、典型的ではないということが、私が言いたいこと。

土地自体の形からはじまって、多様なところに、何とかいろいろな形で家を建築しなければいけない日本のあり方の中では、日本の物件の個性は、事実、アメリカ人の想像を超える多様化が当たり前。

遠隔投資家にとっては、”アメリカでは、空室対策は、物件の差別化とか、難しい特別なリフォームというよりは、エリア戦略や、よい管理会社を選んだりといったもう一歩手前で、とどまっていることが多いと思います”と申し上げられるのは、ある意味、喜ばしいことです。

但し、遠隔投資ならではの悩みとして、まさに、よい管理会社とは、とか、戦略は、といった問題は、それ自体、相当、研究が必要になることは、言うまでもありません。


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