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That's A First! 401K で、滞納家賃を払う

この前、テナントさんが、滞納となったので、強制退去かという話をしていたら、現地から、こんな話が飛び込んできました。

「確定拠出年金のお金を使いたいから、強制退去の通知を早く手配してほしいんだって」

そう。401K(英語では、ふぉあ・おー・わん・けいと発音します)は、強制積み立てなのですが、いくつかの理由があれば、これを引き当てとした借り起こしなどが可能になるよう。

但し、当然、手続きは、あり、定期の解約と同列には考えられないようです。

通常、金融機関などに、リスケ(和製英語でいう、リスケジュール。アメリカで言う、loan modification、loan mod、ローンモッドですね)を頼んだりする場合、アメリカでは、hardship letterといったものを書くことが、一般的です。Hardshipは、ここでは、経済的困窮、つまり、financial hardshipのこと。

ですので、ハードシップレターというのは、自分の経済状況が悪いことを説明する書類ですね。

書式は任意の場合も多く、民間の銀行とのやり取りであれば、病気をして、とか、失業して、といった財政状況を書くのが一般的かと思いますが、通常は、supporting documents(付随書類。たとえば、payslip、給与明細とか、medical bills、医療費の請求書とか)も要求されるでしょう。

この401Kの取り崩しの場合は、テナントさんは、家賃が払えないことの証明として、管理会社からの滞納通知や支払い要求ではなく、裁判所の強制退去の令状と事件番号が必要であるということを、強く訴求してきました。

確かに調べると、401Kにおいては、"hardship(困窮)"というのは、IRSの定義を用いるんだそうです。401Kを利用した貯蓄には、税の優遇措置があるので、それで、IRSの管轄なのですね。

こちらに、IRSのhardshipの定義がありました。4つ目が、今回に該当するケース。

(4) payments necessary to prevent eviction from, or foreclosure on, a principal residence;
第四項 主たる住居からの強制退去または強制執行を回避するための支払い

百戦錬磨の管理会社さんも、「こういうケースは初めて」といっていたので、「本来、テナントさんは、きちんと収入があり、年金を積み立ててこられる立場にあったのが、ちょっとしたことで、歯車が狂っている」という状況で、もともとの生活保護を受けたり、極貧状態にあるような世帯の滞納とは様相が異なっているよう。

まさに、these are the hard timesです。

ちなみに、日本型の確定拠出年金には、このような制度は準備されておりませんので、管理会社さんや家賃保証会社さんたちは、色めき立たないでくださいね、、、(大汗)

上の件については、裁判所からの令状も届いたという連絡が、今朝、入りました。テナントさんの中には、悪意ではないのかもしれませんが、いっていることに齟齬がある場合もあったりするのが、正直、現実なので、この件についても、「これで、ロスが防げた」かどうかは、はっきりしません。

とりあえず、テナントさんが、積み立てたお金にアクセスしてくれられ、居住が続けられるよう、私たちは、今は、keep fingers crossed(固唾を呑んで見守る)です。


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