WSJ-ジョージア州の小規模建設業者の不振、危険なトレンドを示唆か
WSJ-ジョージア州の小規模建設業者の不振、危険なトレンドを示唆か
6月13日16時2分配信 ダウ・ジョーンズ
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)ジョージア州の住宅建設市場の情勢は素晴しいというには程遠い。
住宅市場が鈍化していると聞いた時、たいていの人はフロリダ州とカリフォルニア州を連想する。実際、建設融資の不履行の増加ペースではこの2州がトップを走っている。しかしそうした痛みが他州にも広がり始めている兆しがみられる。新しい銀行融資データや、小規模住宅建設業者の債務不履行の数字は、そうした傾向がジョージア州に根を下ろしはじめていることを示す。
銀行にとって悪いニュースは、物件の差し押さえ率でジョージア州が5月に全国10位以内に入ったことだ。
不動産データ会社のリアルティトラックが12日発表したデータによると、ジョージア州は、差し押さえ率で全国7位に入った。5月の差し押さえ件数は8294件と、カリフォルニア、フロリダ、オハイオ、テキサス、ミシガンに次ぐ6位となった。
ジョージア州では先週、株式未公開の住宅建設会社マイヤー・サットン・ホームズが破産法の適用を申請した。事業の「突然の劇的な」落ち込みを同社は指摘した。
マイヤー・サットンの負債は3000万ドルに満たず、サントラスト銀行(NYSE:STI)、ワコビア(NYSE:WB)、コロニアル・バンクグループ(NYSE:CNB)など大手行にとっては大きな打撃とはならない。しかしジョージア州の住宅建設市場は、他の大半の州と同様、大手地銀と小規模の地元金融機関からの融資に支えられた小規模の地元住宅建設会社によって占められている。
ホブナニアン・エンタープライジズ(NYSE:HOV)、KBホーム(NYSE:KBH)など上場している大手住宅建設会社は、米国住宅建設業界の3分の1程度を占めるにすぎない。このため、株式未公開の地元建設会社が不振に陥るといった傾向は、より多くの金融機関に影響を及ぼし、地銀業界の回復は一部で予想されているよりも時間がかかる可能性がある。
フロリダ州パームビーチのヘッジファンド、オッター・クリーク・マネジメントのトップ、キース・ロング氏は「マイヤー・サットンは小規模な破たんだったが、同社1社だけにはとどまらないだろう」と述べた。
バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)はここ数カ月の間、5つの不動産開発物件の担保権を行使した。これらは、経営破たんしたジョージア州の不動産開発業者ローレル・リバー・プロパティーズに対して行った融資の担保に使われていた。アトランタの連邦裁判所に5月3日に提出された書類によると、バンカメはこれら5つの物件を1500万ドルをやや上回る金額で売却した。当初の元本額である1900万ドルを下回った。
ジョージア州の住宅市場は、フロリダ州や首都ワシントンほど急激には落ち込んでいない。しかしジョージア州の多くの地域では販売が鈍化しており、多くの小規模住宅建設業者が高いコストで売れ残りの住宅を抱えている。
ジョージア州マリエッタの不動産情報・分析会社、スマートナンバーズのスティーブ・パーム社長によると、アトランタ地域では、1-3月期の新築住宅販売件数が前年同期比20%減少した。同地域には3000を超える住宅建設業者がいる。パーム社長は、一部の小規模業者は年間わずか数戸しか販売しておらず、「3、4戸が売れ残るとすれば、それはこうした業者にとっては過剰な在庫となる」と指摘した。
大手地銀とは異なり、小規模の住宅金融業者の融資は、住宅・商業施設の建設向けに集中している。ジョージア州の業者の大半は、融資はアトランタ周辺の物件が対象。
大手地銀以外のマイヤー・サットン債権者は、ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムを本拠とするサザン・コミュニティー・ファイナンシャル(Nasdaq:SCMF)、バージニア州ノーフォークのヘリテージ・バンクシェアーズ(HBKS)や、ジョージア州の株式未公開の銀行数行。
連邦預金保険機構(FDIC)の直近の統計によると、ジョージア州の一部の小規模銀行は、今年1?3月期の建設融資ポートフォリオの不履行が昨年10-12月期に比べ、急増している。
(6月13日付のHeard On The Streetより)
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管理人コメント
差し押さえとは、ローン支払いが滞ったときに銀行が、資金を回収するために、ローン取得者に、担保物件からの立ち退きを命じることですね。
英語では、foreclosureといいます。
本来、銀行自体、そんなことをすると、手間がかかるので、ロスになるんですよね。でも、仕方ない。
ということで、2007年から、日本でも、「アメリカで、サブプライムレンディング問題が経済の停滞をもたらしているらしい」という報道がなされるようになりました。
これも、そうした報道の一環です。
そうです。アメリカの不動産市場は、現在、よく言えば、「調整中」。はっきり言えば、「停滞期」、「下降期」なんです。
良いことを言う人もいますが、一時のアメリカに比べれば、まったくレベルの違った話ですし、大体世界のほかの、バブっている市場に比べても、相当、見劣りすると断言して間違いありません。
そして、この傾向は、2008年に向けても、続くでしょう。
ぜひ、私の、「不況のアメリカで、どうやって稼ぐか?」という投資戦略を、参考にしてくださいね。
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