こういうのも回復? 米中古住宅販売、7月7.2%増 4カ月連続プラス
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【ワシントン=米山雄介】全米不動産協会(NAR)が21日発表した7月の中古住宅販売件数は、季節調整済みの年率換算で524万戸となり、前月に比べ7.2%増えた。4カ月連続のプラスで、市場予測平均の500万戸を上回った。前年同月比でも5.0%増と2005年11月以来、3年8カ月ぶりにプラスに転じた。米住宅販売は中古物件については底入れしたもようだ。
7月の前月比伸び率は統計上比較可能な1999年以降で最大。4カ月連続での増加は2004年6月以来、約5年ぶりとなる。NARは「住宅市場は好転した」と指摘。中古住宅については販売が底入れしたとの認識を示した。
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ちょっと総括的な紹介ですね。
これらの中古物件の販売軒数反転の理由には、価格低迷などが影響していることが理由ですから、別段、底打ち好反転というほどのものかは、はっきりしないような。
この記事の原点は、2009年8月21日にNational Association of Realtors、全米不動産協会が発表したプレスリリースですので、upsideのほうを、感じよく書いてあるのは、当然ですね。
7月の購入価格の中位値は、17万8,400ドルで、2008年7月から比べて、15%のダウン。当然、いわゆるdistressed saleの比率が、高いわけですね。ただし、在庫も、同期間比で、やはり、10%くらいダウンしているんだそうで、ラスベガスやサンディエゴなどの一番被害が深刻だったエリアでは、逆に、安いよい物件は、少なくてみんな困っているって、そりゃそうですわな。
NARは、8,000ドルのtax credit(住宅購入後、国税局から、8,000ドルまたは購入価格の10%のいずれか少ない額がもらえる。納税額にかかわらないので、免税や減税とは訳しにくい模様)なども、役に立ったと論評。ただし、この特別措置がこの秋以降使えなくなるとすると、回復基調に歯止めがかかるかも、という警鐘を鳴らす向きもあるそうで、、、
今の「底打ち」は、「末端で、在庫整理が進みだした」といったことかなという気がするので、別段、新築がちゃんとした値段で売れるようになったのとは違うわけですが、、、下よりは、いいのかな?
+++朝日新聞2009年8月21日朝刊より+++++
緊急経済対策のために09年度補正予算に盛り込まれた住宅取得支援策が、政府の想定の4割程度しか使われていないことが分かった。補正には、住宅金融支援機構への出資金積み増しに2600億円が計上されている。利用低迷が続けば、巨額の「使われないお金」が機構に積まれたままとなるが、国土交通省は「一度出した出資金は国庫に戻せない」としている。
政府は4月、支援機構が民間銀行を通じて提供する長期固定金利ローン「フラット35」で、住宅購入資金の1割用意しなければならなかった頭金を不要とし、一部の住宅を対象に金利を年0.3%引き下げる優遇期間を10年から20年に延ばす支援策を公表。支援策により、フラット35の新規利用者が08年度申請(5万2510戸)の3.8倍、年20万戸になるとの試算を示した。
「年20万戸」を達成するためには、毎月の新規利用が約1万7千戸に達する必要がある。しかし、機構によると、実際の申請件数は6月が5774戸、7月が6929戸にとどまっている。前年同期比では4割前後増えているものの、想定には遠く及ばない。
背景には住宅需要の低迷がある。政府は昨年末以降、住宅ローン減税など住宅購入支援策を矢継ぎ早に打ち出し、「住宅購入は年9.3万戸増え、約4兆円の経済効果がある」(国交省住宅局)との見通しを示していた。しかし、実際には雇用不安や給与減が響き、09年上半期の住宅着工戸数は前年同期比14万6千戸(27%)減った。
さらに試算自体が過大との指摘もある。同省は09年度当初予算で金利優遇などの住宅取得支援策を打ち出した際にすでに、フラット35の新規利用が08年度実績の2倍以上にあたる「年12万戸」に増えると想定し、出資金を約900億円積み増していた。その効果が分からないうちに、追加の支援策を決めた。
仮に利用が想定の4割にとどまれば、補正と当初で積み増した出資金約3500億円のうち2100億円は、初年度では不必要な計算になる。
政策効果のない出資金を機構に積んでおくことは、「緊急経済対策」と銘打った補正予算の趣旨とも矛盾する。しかし、国交省は「独立行政法人の減資は法律上、規定がない。もし今年度消化できなければ、次年度以降の出資分を減らして対応することになる」(住宅局)という。(野沢哲也、津阪直樹)
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