競売物件と遠隔投資 foreclosure
PCセミナーご参加者様から、こんな質問がありました。
「競売物件は、遠隔投資で、購入できるものでしょうか?」
競売にかけられてしまうことを、foreclosureといいます。
インターネットでは、競売物件情報があふれています。こうした格安物件を効果的にゲットすることができれば、普通の物件より、ずっと、得をするのでは、、、
私自身の耳に入る範囲でも、「ハワイのコンドを、4-5万ドルで落札した」といった方や、「ラスベガスの一戸建てを5万ドルで落札し、すぐに査定を取ったら、20万ドルと出た」といったオメデタイ、景気のよい話が。競売物件においしい話がありうることには、間違いがありません。
しかし、結論から言うと、私自身は、これができたことがありませんし【チャレンジしたこともあまりないのですが】、一般にも、遠隔投資にはなじみにくいと思っています。
その理由は、以下です。
裁判所でかけられる競売物件は、日本と同様、
★残債がすべて清算され、名義瑕疵の問題がない、cleanな物件が買える反面
★物件の内見はNG
★それなりの額の供託金が必要な上、
★融資をつける場合は、銀行と話をつけておいて、短期間に、これを準備する
必要があるようです。物件、資金、両方の面で、苦労があるのですね。
まずは、物件自体を内見できない場合の問題を、検討してみましょう。
1)物件は、競売にかけられるまでに、前の買主が退去してから、1年といった期間が経過していたりするので、退去状況もあわせ、その間にさらに荒れている場合もある
2)外見上の問題なら、大きな心配はないが、電気系統等、「ふたを開けてみないとわからない」トラブルについては、別途、相当の余裕が必要な場合もあるかも
別のところで、私の友人に起こってしまった悲劇の話をしました。こちらのお話をご覧になってみてください。
彼女たちは、物件から、walk away、つまり、住居を任意に立ち退く決断をし、しかも、自己破産の手続きに入っています。
この結果、この物件が、10ヶ月後にでも、競売にかかったとしましょう。
入札価格がいくらからのスタートになるか、私はよくわかりませんが、内見を事前にしていなかった落札者は、物件獲得後、この物件が、「違法増築」であることを認識します。
ガレージ部分が、寝室に、改造されているのですね。
この問題を解決するため、建築許可を申請し、市の立会いがあります。その場合、電気系統がきちんと、処理されていることを確認するために、壁を壊す必要があるそうです。
もし、うまくやってあれば、まだ、OK、もし、ライセンスのある電気工がやった仕事でなく、危険と判断されれば、また、電気の配線をやり直すことになるのだそうです、、、
こういった修理のための資金は、なかなか手配するのが難しく、自己資金力が潤沢な場合以外は、結局、大体、多くの人は、いわゆる短期の高金利の貸付を利用したりするようです。
これは、単なる一例ですが、このようなリスクが、競売物件には存在しうる、ということですね。
以上を前提とすると、「大概の作業は、自分でできる」、いわゆる、DIYの修理屋さん【ただし、ボイラーや電気などはそれぞれ免許が必要】タイプの地元の人が、こうした物件を取得し、汗をかくことで、修理がある場合、そのコストを最小限にしながらリターンを確定していく方式が、競売には一番なじむかな、と思います。
実際、Aさんは、「そういえば、隣の人は、競売で隣家を買って入居したばかりで、夜はどこかへ帰るけれど、日中は、一日中修理をしているのよ。まだ、水周りとか、ちゃんとしていないようで、うちに、水を借りに来たわ。10万ドル以下で買ったらしいわ。」といっていました、、、
このように、競売物件は、場合により「結果オーライ投資」、あるいは、「結果真っ青投資」へと、分かれる場合がありうるかも。
私のイメージする「成功する競売物件投資家」は、【地元の競売手続きなどに通暁し[落札後、前の買主が、条件を満たして、買戻しをできる期間があります]、しかも、大概の修理を自分でこなすことのできる人】であって、決して、私たち遠距離投資家タイプではありません。
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