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任意売却は3歩進んで2歩下がる(1) 日本でのケースも参考になるかも

対米不動産投資家の中山道子です。米国では、カルフォルニアなんかは、いわゆる売主が困った状態にある「困窮物件(DISTRESSED PROPERTY)」の比率は、少なくなっていると感じられると思います(実態はそうでもありませんが、それはまた別に)が、私たちは、中西部が拠点なので、依然、投資は、銀行債権処理がらみが多いです。

それらの種類には、簡単には以下があります。

SHORT SALE = 任意売却。滞納が始まり、売主が銀行と一緒に債務処理のため、物件を売ろうとしている。

AUCTION = 銀行の債権を誰かが買ってくれるか、裁判所やシェリフ(Sheriff, 執行官)が主導となり、競売にかける。

BANK REO = オークションで誰も入札がないと、銀行名義になる。


最近、雇用が流動化したり、サラリーマン大家さんが増加している日本でも、任意売却や競売といった言葉が、ネットを飛び交うようになりました。

今日は、「私たちのやっていることをもっとわかっていただくのに格好の例だ」と思った記事があり、日本についての事例なので、参考までに、言及させていただきたいと思います。

記事のタイトルは、

首都圏で1千万円以下の戸建住宅が続出、新築も投げ売りで1千万円台の価格破壊

です。

昨今、首都圏でも、中古住宅が、大きく値崩れしているエリアがあるという最近の不動産事情のお話です。

詳細は、記事をごらんいただければと思うのですが、概要は、一私人であるHさんが、以下の経験をされたということ。

Hさん、近所でたまたま見つけた物件、

> 任意売却ということで、1,100万で契約合意したが
> 決済直前に、銀行がNGを出し、お流れ
> それが裁判所競売となり、入札したが
> 5万の差、1,205万で売れてしまい
> 買ったのは業者。修理後、1,890万で売りに出た
> 不動産業者っておいしいなと思っていたら
> 近所で新築が値崩れ、最安1,690万
> きっとあの業者も、大幅値下げを強いられるだろう

Hさん、不動産のデフレを短期に体感し、買えなくてよかったと胸をなでおろす、、、

というお話です。

10年前は、米国には、1,000万以下で購入できる物件があるとはすごいなあ、日本じゃ無理だな、といった話になりがちでしたが、いまや日本も、首都圏も、1,000万台で一戸建てが買える時代。

為替の円安も考えると、「米国の大都市で、犯罪や人種問題に巻き込まれずに、こういった値段の物件を探す」のは、難しい状態ですから、今、日本の格安ぶりが、なんだか目に付くようになりました。

ただ、このドッグイヤー?振りを見ていると、今後、5年もすれば、日本でも、「安いエリアでは、何らかの意味で、中産階級の希望する生活は成り立たない(例えば、適切な医療サービスにアクセスできないとか、公教育が荒廃したエリアとして突出するとか)」といった話になっていきかねないのかもしれませんね。


私たちの場合も、

■ 任意売却で、売主(ローン滞納している)と、契約合意をしても、銀行が、最終的に、OKを出さないまま流れる

ということ、よくあります。米国では、BANK APPROVAL LETTER(契約の合意金額に対する承認の通知書)という形で来るのですが、これが、「いつ来る、もうすぐ来る」といっているうちに、なんだか来ない。そんなこともあります。

実は、今日、一軒、投資家様にご案内した物件がだめになったという報告がありました。

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長くなるので、次の記事で、ご紹介しようと思います。


後編はこちらから。

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