サブプライムレンディング問題とは
サブプライムレンディング問題については、様々なところで、私より専門的な立場の方々が、言及されているので、私なんかが、と思いますが、ご質問を受けることもありますので、私からも、「素人的論評」を、、、
サブプライムとは、プライム、つまり、最高水準に準じる、つまり、最高水準からは、劣る、という意味ですね。ノンプライム(プライムでない)といった言い方より、婉曲話法のつもり、、、
と与太話はいいとして、これは何かと言うと、一言で言うと、信用力、与信力がない個人に対し、貸付を行いすぎて、そうした個人が、支払いができない、そういう状況が発端なわけですよね。
日本ですと、転職したばかりの人間、起業したばかりの人間、会社が赤字の自営業者、収入が不安定なフリーランサー、低所得者やクレジットカード事故者などは、自宅の実住ローンでも、簡単にはねられてしまいます。
ところが、こうしたタイプの個人に、ローンを貸し付けてしまった、そういう状況が、2002年くらいから顕著でした。
それはどうしてかというと、銀行というのは、当然、ローン貸付でお金を稼ぐわけですが、プライムでない人は、「金利が高くても借りてくれる」のです。
もちろん、2000年くらいまでは、そんなに簡単に、「誰にでも貸すわけには行かない」ということがありました。貸し倒れされますから、、、
しかし、住宅バブルが起こると、下の状況が生じます。
1)x万ドルの物件が、2年くらいで、1.5倍以上に跳ね上がるくらい当然
2)そうすると、最初の2年から4年くらいを変動式の金利のみ支払いでローンを組めば
3)どんなに収入がない人でも、3年目から5年目にかけては、物件の値上がり益を使い
4)またリファイナンスをしてしまえば、新規のローンで、問題が先送りできる!
これにより、
A)これまで家が買えなかった人が、立派な家に入れる
B)銀行は、2年ごとにローンを取らせ直し、手数料を取りなおせる
C)ローンオフィサーは、仕事が倍増
と「いいことばかりだった」のです。
こうなると、銀行は、「たいして信用がない人だって、いったん家を買えば、不動産市場が値上がりするかぎり、むしろ、プライムの顧客より、ずっと上客なんだ!」と「学習」してしまいます。
まさに、日本のバブルのような感じですね。
また、普通のプライムレートの金利が6%というときに、サブプライムであれば、8%、変動式なら、数年立つうちに、10%くらい軽い、軽い、、、
ということで、国際的なファンドが、アメリカ不動産の値上がり期待に加担し、「ポートフォリオのうち、一部を、この高利回りの債権に投資しておこうよ♪」となったのも、不思議はありませんでした。
その結果、名もない地方銀行などが、急激に開業し、サブプライムレンディングをするということに特化して、お金を国際的なファンドから調達し、高利回りで貸し付ける、そういう、ことになりました。危険なローンだけを取り扱う、といった危険集約行動を取るわけですから、不動産市場が落ち着くと、このエリアに特化することのリスクが、一挙に、噴出してしまったのですね、、、
日本のバブル同様、アメリカの不動産の値上がりトレンドは、永遠のものではなかったわけですから、、、
カルフォルニア、ネバダ、アリゾナ、ニューメキシコ。ユタにオレゴン。
いずれも、この時期、異様なバブルを経験しましたが、値上がりがいったん調整に入ると、2年前、3年前に、「変動式で、金利のみを支払い、家を買いましょう♪2年後にはリファイナンスをすればいいですよ!」という甘言に乗ってしまった人たちが、「3年目になって支払いが増えたが、失業してしまった!給料は上がってない!離婚だ!」といった(残念ながら、お定まりの、、、)悲鳴を上げているのです。
というのも、こうして不動産市場が値上がりを停止してしまうと、2年前に買った家は、含み資産ゼロ。買ったときより価格が下がっている場合も。
こうなると、リファイナンスしようにも、
1)含み益がないのでリファイナンスするには、むしろ、頭金を新たにどこかから調達?
2)サブプライム問題で低与信の個人に対しては、貸し渋りが始まった!
3年前に、アメリカのクレジットスコア(与信力の目安。高ければ高いほど銀行に好意を持たれている。最高ランクは、800以上。)が、630でも、ローンが組めました。
2007年夏現在では、680あっても、苦しいくらい、、、
3年前と、与信力が同じでは、借り換えができないのです。
そういう状況で、「今年から支払額はこれこれに増額されますので」という非情な通知、、、
今、多くの個人を襲っているのは、この問題なんですね、、、
それでは、私たち、日本在住の一般投資家にとってのこの問題の波及効果は、、、?
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