良い不動産屋さんの見分け方その2
前にも、よい不動産屋さんの見分け方について、記事を書きました。こちらから。
「これ」といった基準がないのが、難しいところで、本来、よい人の助けを一番必要とする初心者のときに、一番、総合判断力が求められます。それに対し、自分自身が不動産のセミプロになってしまった段階では、使用する不動産屋さん=レアルターさんは、免許さえあるのなら、誰でもかまわないといって過言ではありません【笑】。
なんという、皮肉!
残念ながら、これが、この世の習いです。
日本でも、よい不動産屋さんにめぐり合うのはなかなか大変だと皆さんがおっしゃいます。アメリカでも、同様であり、不動産自体が未経験だった私は、最初、誰と話せばその相手が「よい不動産屋さん」なのか、皆目見当がつかず、相手の時間も自分の時間もずいぶん無駄にしていました。
前の記事でも、「売買実績」の話に、言及しましたが、この点について、もう少し、説明をして見ましょう。
不動産市場が不透明な現在、多くのレアルターさんは、はっきり言って、一時より売り上げが落ちています。多くの人は、すでに、「廃業、転職」してしまっているでしょう。
こんな時代に不動産屋さんの実績を聞くときは、「好況のときはうまくいっていた」人と「不況の今も、きちんと実績を出し続けている人」の違いを意識する必要があります。
私自身が経験があるのは、こんなこと。不動産屋さんと話すとき、つい、
How long have you been a realtor?
何年くらいの実績があるのですか?
と質問し、その質問がいけないというのではないのですが、例えば、「10年です」といわれると、つい、それで、安心してしまう、といったことがあります。
シビアなことを言うと、実は、「ライセンス保有期間」は、「実績」とは、直接、関係ありません。
もちろん、アメリカでは、日本と違い、免許更新に伴う教育を定期的に受けなおしたり、不動産協会へ会費支払いをし続けたりといった「コスト」が大きく、「まったくの開店休業」状態の人が、ライセンスを維持させ続けることには、メリットはありません。
しかし、年間数軒、家を売っているくらいの「実績」があれば、ライセンスを返上する必要はないわけですから、「パート」的な不動産屋さん、というのも、実は、多く、存在するのです。
リタイヤ世代の男女や、子育てをしている方に多いパターンです。
これは、レアルター業が自営業で、100%コミッションの世界だから。ブローカーのほうも、日本のように、フルタイムで働かせる権限があるわけではなく、そもそも、「アルバイトだから本腰入れていない」と「正社員だから責任感がある」といった「わかりやすい」分け方にはなっていないのですね。
こういう中、多少、厳しいかもしれませんが、私自身は、ずばり、この不況下にも、「不動産仲介業で、主たる生計を立てている、自分や家族を、きちんと養っている、家を買えている」ランクの人でないと、実績十分とは思えません。
それでは、直近、実績がある人はどうやって見分けるかというと、
How long have you been a realtor?
だけではなく、もっと直裁に、
How many homes did you sell last month?〔先月何軒売りましたか?〕
How many closings are you handling this month?〔今月何軒契約締結しますか?〕
といった、質問です。
頻繁に、クロージングできていない人は、融資や市場に関する最新情報をフォローできていません。あなたが、「久しぶりの客」だとすると、「4ヶ月前、6ヶ月前の常識」で、行動をして、そのために、うまく売主とのコミュニケーションが取れなかったり、問題をこじらす可能性もないとは言えません。
ここでも、私は、「毎月1軒位」は、私たちが購入を希望しているようなタイプの物件をクロージングできている方が、望ましいような気がします。
【100万ドル以上の高額物件市場の常識は、これとは違うのかもしれませんが、私たちが買うような価格の家の場合は、それくらいの決済頻度でないと、生活設計も難しいはずです】
今の不況時、レアルターさんは、「大忙し」か、「めちゃ暇」のどちらか。
あなただったら、「暇」な方に、相談したいですか?
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