ファニーメイ合計融資4軒に - 米国内で、投資家の新規参入制限の動き
私自身は、アメリカをはじめとする海外投資一般には、アメリカ人や現地人では取得できない円建て融資取得を推奨しています。そのメリットは、当然、低金利。中長期資産形成型の投資の場合、ホールディングの期間が何年になるかわかりませんので、その期間内のキャッシュフローに余裕があることが、重要です。
現在、円建ての対米融資は、米国内金融恐慌に対応する形で、ハードルが高くなっており、自己資本投入比率は、40から50%になってしまいました。【ほかの国は、30%】対象物件の購入価格は、最低40万ドル。私は、このローンの融資窓口をやっていますが、現在は、「今、別荘がほしい」のでない限り、無理をして融資を取得するような状況とはいえません。
今後、景気が良くなれば、融資基準も緩和するでしょう。ですが、景気は、いつ、良くなるのでしょうか。それは、わかりません【笑】。
アメリカの不動産市場の長期的好調を支えているのが、成熟した中古市場の存在。
そして、盛んな売り買いを支えているのが、不動産投資家の存在。
日本でも、今、サラリーマン大家さんは大ブームですが、ご本家アメリカでは、「やらないと馬鹿」みたいな雰囲気が、ありました、、、
アメリカ人は、事実、ほぼ、無制限に融資を取得できる場合もあったので、何十軒、何百軒もの不動産を抱え、仕事をやめて、旅行をしてまわっているサ、なんていう悠長な人に会うことも、まれではありませんでした。
今後、不動産市場が、このどん底から復活するには、融資が、取引を活発にする状況が確認できないと、難しいです。
ところが、来週から、ファニーメイは、以下の、衝撃ガイドラインを採用します(だそうです)。
「新規購入希望の投資家は、総合で、自宅以外の融資が受けられるのは、4軒だけ」
ちょっとうまく表現できませんでしたが、
■過去に、4軒以上の融資を受けている人は、新規購入は、自宅購入時のみ
■過去に、自宅以外で、4軒以下の融資を受けている人または今後投資をする人は、投資案件は、合計4軒まで
これは、相当な方向転換に見えます。これまでは、100軒位までは、与信の良い、うまくやっている投資家は、結構、取れていたローンが、今後、4軒!
景気が良くなれば、この基準が、緩和するのか、それとも、「急激なバブルはもうこりごり」という意味で、「投機」を抑制するための長期的な方策転換の端緒として、しばらく、このトレンドが、スタンダードになるのか。後者であれば、相当なインパクトとそれに伴う業界などの反発があるのでは。
門外漢の私は、ちょっとわかりません。
逃げ道はあります。100%オーナーであれ、会社があれば、5軒目からは、そちらで。すでに、ある程度投資をしている人は、これができている場合も多いです。但し、一般に、対企業融資というのは、オーナーが、個人的に、保証をするほか【会社自体の信用度が高ければこの要件は外れる】、自己資金投資比率は、対個人より高いことが多いです。
また、ファニーメイの基準に合致しないローンを勝手に販売することは可能ですので、そっち(non-conforming)は、この規制の直接的な対象ではありません(条件が悪くなり、また、間接的には、インパクトは当然あることかと思います)。
実際上は、今、投資家は、自己資金投入比率が、20%以上になっていることが多いので、「どうせ、そんなに買えないよ」という空気のほうが、一般的なのかもしれません。現在、実際に動いているのは、低所得者層向けの実住をサポートするための、FHAローン(Federal Housing Administrationが、実際に融資を行う金融機関に対し、保険を発行し、リスクをかぶってくれる)が、過半数と聞いています【つまり、投資家ローンでない】。
短期値上がり狙いの投資家が、無理なオーナーファイナンスをしてしまっていると、不況が続いて、ローンの借り換えもできず、出口がない状態が続くのではないでしょうか。オーナーファイナンシングについては、こちら。
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