担当者レイオフ! 大焦りの契約決済現場から
9月に、私たちが、格安戸建賃貸戦略を展開しているデトロイトのタイトルカンパニーの担当者が、レイオフされてしまいました。仕事、ないんですね。 【タイトルカンパニーとは?】
最初、私がエスクローコーディネートをやりはじめていたときは、「無視」状態でしたが、しばらくたったら、気心も知れ、対応もVIPクラスに。ようやく、現地のチームができたことを喜んでいた矢先。
新しい担当者のJさんと、最初のクロージングを、この10月6日に行いました。
Jさんには、くどく、日本が1日進んでいることや、一度目を通して修正箇所があれば、それをやるために、余裕がほしい旨を説明し、クロージングドキュメンツ【closing docsと略称する】を、いつもどおり、数日前に、デジタルフォーマットで受け取り。
ベガスを含めて、大概のエリアで、クロージングは、実際の書類を、直前にフェデックスなどで送ってくる形式で、
■届いたときは、決済期日だったりして、読む余裕がない
のが大きな欠点。
実際、ベガスでのクロージングドックを用意するときには、現地で、レアルターさんが、担当者の肩越しで、いちいち指示をしたりして、送付書類に間違いがないか、サイン箇所をお客様が誤解しないか、と大変な労力を使ってくれています。
デトロイトのクロージングについては、それを、私がやるわけですが、現金決済は、必要書類は、10分の1な上、書類はデジタルで送ってもらい、確認や訂正をするのも簡単なので、お客様自身にも、ご説明がしやすく、タイトルサーチの速さとこの決済システムが、デトロイト投資のハードルの低さの重要な一部分を占めているといって過言ではありません。
さて、話は元に戻り、Jさんから来た書類を今までのように処理し、送り返したところ、
「これこれの書類に、公証をしてもらってないじゃないですか!これでは、この案件は、クロージングできませんから、すぐ、送りなおしてください!」
というヒステリックなメールが。
おいおい、ということで、電話をかけて、説明したのが、以下の事情。
当該「必要書類」は、銀行が抵当権を組むときに必要になる書式。私たちの投資は、すべて、現金決済なので、この書式は、いつも、決済書類に添付されているのですが、それは、どうやら、コンピュータのソフトで作ってくるデフォルトフォーマットらしいので、私は、完全に無視しているのです。
ところが、一人で決済をつかさどるのが初めてなJさんは、「前任者が作ったのと同じようにやったのに、買主が公証していない書類がある、、、」とおおあせり。
内容読めば、mortgage【抵当権】云々とか書いてあるので、現金決済に該当しないということは、わかるはずなのですが、どうやら、やはり、具体的な個々の書類がどんな書類かは、表面的な理解でのみ、手配しているよう。
まあ、確かに、クロージングドックを、全部読んで、全部意味がわかったら、ロースクール卒業生レベルの学力なんです。
大体のタイトルカンパニー勤務のエスクローオフィサーは、「こうやるのよ」と説明され、内容自体はあまりわからないままに、そのまま、電話手配や役所への書類郵送など、比較的、事務的なレベルの作業を中心に、決済の段取りをOJTで学ぶのですね。特段、ライセンスが必要な仕事ではないのです。
そのほかにも、Jさんは、アメリカ人である売主に、「売主が、外国人である時に使う書式」への記入を求めようとしたり、、、初回取引を終了させるまで、Jさん、「外人が絡む取引だから」と汗が止まらない様子。
私自身、昔から、エスクローオフィサーに、不親切にされるたびに、後々になって、恨みに思ったりしていましたが、今、経験ができて、「こうなっていたのか」ということがわかると、彼女たち【ペイが低く、通常5時で家に帰りたい事務職を求める女性が圧倒的です】に同情するところがないでもありません。
Jさんだって、(例によって、会ったことはないですが)電話口の口調は、気の弱そうな、自信なさそうな20代って感じ。
ただ、私のお客さんには、あの頃の私と、同じ目に、あわせるわけにはいかないのです。
提携取引先である売主も、私も、もう、ベテラン。
Jさん、大丈夫です。私たちが、サポートしますから。
景気付けに、Jさんに、チョコレートやクッキーのギフトボックスを、送っておきました。
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