樹脂サイディング問題への反響
日本から、アメリカへ、遠隔不動産投資をする私にとっては、樹脂サイディングは、「アメリカ不動産投資における戸建賃貸戦略の格安小技」。そこで、この前、樹脂サイディングについて、こんな意見を、投稿しました。
アメリカでは、格安リフォームの強力な武器だけれど、日本では、それほど普及していない樹脂サイディング。日本で普及しない理由は、
■デザイン性
■修理が必要ないから
といったところかな、、、と、、、記事は、こちらを。
それに対し、こんなお便りを、この前、いただきました。
*********** お便りはこちらから *********
初めまして、Qと申します。樹脂サイディングでサーフィン中にたどり着きました。
私はメーカー系列の地方の小商社で、樹脂サイディングの国内展開の担当をしています。国内で中々広まらない・・・おっしゃる通りですが、私はこれから広めなければいけない立場ですので日々奮闘しております。
当社は【省略】にあり、近隣6県の地域密着型のビルダーと、一部大手ハウスメーカーへの売り込みを担当しております。
弊社取り扱いのメーカーは現在、【省略】。
昨年一年間でおよそ【何軒もの】ビルダー【省略】を廻り、おおよそ理解できた事が、中山様の『なんで日本で広まらないのか』という疑問の答えになるのではないかと思います。
それは、わかれば単純な事だったのですが、ビルダー自体が障害だったのです。
腕のあるビルダーが減る一方、体質だけは変わらなく、通例、慣習に沿わない商品は、業者の段階で蹴られて消費者にまでPRが中々行き届かないのです。
通例や慣習というより、むしろ『施工が楽で早く終わる。尚且つ、塗り替え等のアフターメンテが発生する商品でないと困る』と言ったほうがよいかもしれませんが。
フリーメンテで息の長い樹脂サイディングのような商品は、業者にとっては受注する仕事量を減らす迷惑な物にしか、中々見えないようです。
特に塗装屋さんなどにPRに出向くと面白かったのは、
『こんなもん売って仕事をなくす気か』という業者が大半だった
のに対し、『塗装だけでなく、併行して取り扱う事で既存とは別の顧客が取れるかもしれない』と、新規開拓に取り組む姿勢を見せた業者も極僅かですが、いた事です。
まあ、それ以外に普及が中々進まない大きな理由は意匠性です。
横貼りのラップ調と縦スリットしか国内では流通していませんから。タイプが増えれば、また別の展開があると私は期待しております。
突然しかも手前の話ばかりで申し訳ありません。
しかしながら大変ご理解のある意見をウェブ上で拝見してしまうと素通りできませんでした。
これも職業病でしょうか。
与太話長くなりまして申し訳ございませんでした。
【省略】は段々と冬の気配を感じるようになってきました。
冬こそ樹脂サイディングの季節なのですが(笑
それでは。
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この方は、日々、樹脂サイディングの普及に、靴をすり減らし、実感を持って、お便りをくださいました。Qさん、ありがとう。
この事情、「ビルダーが悪い」「塗装屋さんは、消費者の敵」と一律にいってしまうのも、かわいそう。
消費者にとって最終的に利益になることが、自社の直近の経営安定には、差し障る(かも知れない)。
どこでも、ある程度のレベルでは、よくある話です。会社は遊びや善意だけでは、経営はできません。Qさんの立場から、あるいは、こうしたビルダーや塗装業者さんの立場から、ひいては、両方の立場が、身につまされるサラリーマン、サラリーウーマンの方も、多いのではないでしょうか。
Qさん、お便りありがとうございます。
消費者に良い商品を届けようとするQさんの前に立ちはだかるフラストレーションを行間から、強く感じました。これは、不動産や建築にかかわる人がみな、時に、立ち止まって、感じることかもしれません。
戦後日本は、これだけ社会が急激に進んでも、やはり、洋式建築の本格的受け入れに、苦労し続けているのですね。その主たる理由は、私がセミナーで再三言うように、テクノロジー、技術ではなく、ずばり、市場への供給です。
この問題にも、「簡単な回答」は、ありません。
私たち自身が、「消費者」としてだけではなく、いやむしろ、「企業人」として、あるいは、「その家族」として、戦後日本の企業中心社会、スクラップアンドビルド型の発展重点型社会の恩恵を受けてこそ、ここまで、短期間に、豊かな社会に生きるという恩恵に浴しているのですから。
しかし、私たち一人一人が、why【なぜ】と、how【どうやって】を考えていくことだけは、インターネットなどを通じて、確実に、容易になっているようです。
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