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円ローン取得の費用 1%? 3%?

私が扱っている円ローンは、香港の銀行で、融資申請窓口にアポイントをされているわけですが、いわば、私たちの立場的には、(アメリカの銀行の金融商品同様)「外注さん」なので、いろいろな担当者がいるようです。

この度、ご相談されたのは、こんなケース。

カルフォルニアに物件を買おうとしている日本からのある投資家様は、現地のモーゲージブローカーさん経由で、私の扱っている円ローンの申請をされ、無事、融資決定をとられました。頭金投資比率を40%とされてしまったのもご不満なようですが【※2008年9月までの駆け込みの融資ケースです。それ以降、対米投資頭金比率は、CAについては、50%です。将来の変更については、ブログで引き続きご検討ください】、それにもまして、相談されたのは、フィーの件。

「銀行に、融資手数料を、1.3%強払うということは了解しているのですが、それ以外に、融資決定取得後、突然、融資額の2%のフィーの支払いを、請求されて、戸惑っているのです」

ということです。

私自身は、別途、フィーは請求していません。ご成約後に、銀行からのフィーをもらうので、それだけで、やっています。

しかし、銀行自身からも、「別途、フィーをとることは、問題ありません」といわれています。

事実、フツーのサラリーマン様なら、それほど手間ではないのですが、会社を経営されているような方で、会社の決算書類を、私が英訳しなければいけない場合などは、それに対し、別途、ご請求を立てないと、「正直、合わないなあ」と思う場合が、私にもあり、一応、会社経営者様向けには、そのように案内をしています。しかし、その場合は、「融資が取得できるとできないとにかかわらない、processing fee【本当の手数料】です」と事前にお断りしています。

いずれにせよ、事前に、お断りと合意があれば、いくら、どんな種類のフィーをとってもそれは勝手なわけなのですが、このケースでは、最初からの料金提示がなかったのは、やはり、不適切に感じます。

この方は、「現地で任せず、最初から、中山さんの存在を知っていれば、、、」と後悔されていましたが、すでに、別の担当会社さんに対し、融資業務を委託する旨の書類を銀行に提出しているので、私は口を挟めません。

とりあえず、

■最初にどんな書類にサインをしたか再確認する
ひょっとしたら、別途、2%のフィーを取得することに合意をしてしまっているかもしれません。Paperwork が残っていれば、理解していなかったなどと争ってみても、勝てません。

■香港の融資銀行に直接「態度が悪い」というクレームをして相談してみる

■そのブローカーの紹介者や、購入を手伝ってくれる予定の不動産屋さんに相談をする。

■ライセンスがある業者なので、アメリカの業界団体や監督役所に相談できるか調べてみる。【ただし、こうした対策が、目的解決の迅速な対策になることは、多分、期待できません】

といったいずれかの選択肢を検討されることを、お勧めし、お電話を切りました。


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ところで、本来、私たち、融資窓口の仕事は、「銀行の仮融資決定を取得するまで」です。

なので、お客様が、希望すれば、仮融資決定取得後は、窓口の私たちをスルーして、直接銀行とのやり取りだけで、決済の手配を進めればいいのです。【大概は、「仮融資決定を取ってあげましたから後はご自由に」では、皆さん、困られるので、私は、決済まで、また、それ以降も、ご相談に乗っていますが、、、】

ですから、仮融資決定を取ってしまっている以上、2%のフィー上乗せにサインしてしまった書類が別途存在しなければ、単に支払いを拒否すれば、融資自体には、支障をきたさずに、契約決済を済ませられる可能性大です。

よしんば、そういう書類があれば、本来、アメリカ法的には勝ち目はなくても、実際は、日本在住者は、それを無視すれば、アメリカで訴えられるようなことは、どうせないでしょう。香港の銀行も、そのような合意の履行に争いがある場合、ブローカーのほうの肩を持つことはないと思われます。

今は、普通のローンブローカーは、商売上がったりで、売り上げも、一時と比べれば、すずめの涙の方も多いかも。(今金利が安くなっているので、リファイナンスで忙しい方もいるようです。また、有能な方は、いつの時代も、忙しいです。)

「あまり知識がなさそうだけれど、金払いがよさそうな客」から、いかに多く取り上げられるかといういわば、モーゲージブローカーの伝統芸繰り出しに出たのでしょう。

例えば私は、固定費が嫌いなので、事務所も構えず、人も雇わず、結果、低コストでやっていますが、人件費や各種コストが東京以上に高いカルフォルニアのようなところで、ブローカーが、雇用している人の収入と自分の会社の収入を確保するのは、大変なはず。円ローンの銀行からの報酬は、アメリカのローンで支払われるコミッションより低いので、遅まきながら、それに気がついての要求だったのか、、、

『アメリカでは、英語もできないような、低所得のヒスパニック系の人たちに、サブプライムローンをたくさんつけてしまって、、、』というような話は、日本でもよく報道されますが、英語が得意でなかったり、ビジネス慣行に明るくない投資家であるという意味では、日本人の方も、日本在住であれ、アメリカ在住であれ、同じ日本人に、ずいぶん、いろいろな「落とし込まれ方」をしているのを見ます。

ある意味では、日本人は、若いときから海千山千で、もまれてきているアメリカ人に比べて、格段に手がかかる「赤ちゃん投資家さん」なので、こういう場合にも、「そういう人を相手に、日本語で、包括的なサービスを提供してやっている手間賃が上乗せされるのは当然だ」と強弁される日系ビジネスパーソンもおいでかもしれません。

そして、その指摘は、あながち、的外れではないと、私も思います。

例によって、みんなが言いたがらないようなことを言う、嫌われ者の役を引き受けさせていただきますと、投資家自身のリテラシーレベルも、投資のコスト、オウンリスクです。

上の相談者様も、このトラブルを自分で解決する能力、また、銀行や、タイトルカンパニーと直接話をする英語力がない、あるいは、そうしたトラブルが面倒なのであれば、2%の後付フィーを、気持ちよく、払ってあげる、そして、進んでこのブローカーの「カモ」になって、ただし、きちんと仕事をしてもらえるように頼めば、いいのです。取れなくてだめもとなフィーですから、向こうも、喜んで、一生懸命やるでしょう。

リサーチや、相手を見極める力が不足だったのかもしれませんし、単なる悪運でこういっためぐり合わせに会うこともありますが、あれこれ言っても、仕方がありません。自分のレベルに合わせ、お金か、手間で解決するしかなく、また、どちらを選ぶかは、「正解」があるわけではないので、自分が好きに決めればいいのです。

突き放した言い方をしましたが、私自身も、例外ではありません。初級者から中級者へという道で、それなりの勉強代を払ってきたことは、このブログをご覧になって下さっている方は、よくご存知だと思います。

私の最初の物件は、なんといっても、これですから。これも、相手を見極める能力の不足や、自分自身のリサーチ/努力不足に加えて、悪運が舞い降りてきたという、複合的な要因が、失敗の元だったと思います。最初のころって、誰でも、そんなものなんです。


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