会場からの質問 『見ないで買って、失敗したことはありますか?』
2009年1月17日に、長嶋修さんの主催されている不動産投資家向けの勉強会に呼んでいただいたときのこと。
会場から、こんな質問が、、、
不動産を、見ないで買って、失敗したことはありますか?
にわかには、答えにくく、その場では、失敗例自体は、自分も、人のものも、たくさんあります、というお話はしましたが、帰途に着きながら、考えたところ、やはり、上の質問自体にこたえるとすると、
見ないで買うこと自体の失敗というのは、したことが、ありません
が正解のような気もします。
ただ、そう断言して、他に説明をしないままだと、逆に、まるで、私が100戦100勝の不死身の投資家であるかのような誤解を招くかもしれませんので、もう少し、考えてみると、失敗自体の経験は、たくさんあります。
ただ、一番最初の物件で起こった失敗から始まって、大体、いずれも、見ても見なくても関係ない失敗なんですよね、、、私が最初の物件を買ったときの失敗は、こちらから。
どこかで、ある日本の投資家さんが、「いい物件だから、今振り込んで、といわれた。そこで振り込もうとしたが、一応、行って、確認してみたら、物件自体がなかった」ということを、何かで書かれていたのを、一度、拝見したような気がしますが【詳細を忘れていて記憶を手繰っているだけです。間違っていたらごめんなさい】、そんなの、単なる振り込め詐欺なんでしょうから、別に、「だから見ないで買ってはいけない」という結論には、フツー、ならないですよね、、、
アメリカなら、ネットで、物件の情報が、相当、絞り込めますし、、、
逆に、日本で、ホームインスペクションをせず、不動産屋さんに物件を点検してもらったつもりになって、それだけで買うのって、「見た」ことになるのでしょうか?
あるいは、中古マンション/区分所有投資、あるいは、一棟買いで、修繕予備金などはちゃんとしていて、外回りもきちんと管理されていたということで、その部分については、安心して確認したつもりで買っているけれど、実は、水道周りは、どうなっているか、わからない【インスペクションを頼んでも、壁を割って、水道管の状態を確認するようなことが、現実的に、できるわけではないですよね】というのは、「見た」ことになるのか?
まあ、普通、「物件を見て、買わないで、失敗したといえるかどうか」というのは、客付けに苦労するような物件をつかまされるかどうか、といった観点から言っているのかもしれません。
客付けに苦戦する物件を買った経験は、何回かあります。
最初にノースラスベガスに買った物件など、工事も周りで終わっておらず、2年くらい貸せず、自分で住んでいました。
最初、不案内だったので、「ここら辺が、一年以内に、すべて、新築になる」といわれ、「先駆けだ!今買えば、割安なんだ。私って先見の明があるんだ」と思い込んだのです。嗚呼、若かりし頃の私。
これは、立ち上げに苦戦はした例ですが、「自分で見て、しかも、素人だったから、周りがそういう状態であることが、賃貸に与える影響をまったく認識できず」に、下してしまった決断であって、見なかったから失敗した例ではないです。逆に言うと、素人は、見ても、失敗しやすいんですよね。
私のノースラスベガスの物件の例を引き出さすまでもなく、「順調に回りだすまでに、物件が、立ち上がりに時間がかかる」という場合も、現実問題として、ありえます。
それに対して、比べれば、立ち上がりどころか、入居済みの物件がご案内できてしまったり、ひとつの物件に何年も人が住んでくれたりといった、「ウルトラおいしい」シチュエーションも、正直、あり、最初から、この格差を、標準化することは、やはり、難しいです。
これは、ある程度は、私だけではなく、誰がやっても、誤差が出る範囲だろうと思うので、正直に、「そうしたことは、起こりうる」ことを、お伝えしていくしかありません。
そういった差が生じないよう、最大限の注意を払っていますが、「見込み違いの確率なんて、数パーセントですよ。」などと言ってみても、その一軒に当たってしまったら、その方が、不愉快になることには変わりありません。
そういった状況に対するリスクトラランスが低い方というのはいるものです。私自身は、そういう方は、無理に投資家になられる必要はないと思っているので、オープンにお話をして、それで、恐れをなす方のことは、「よかったですね」くらいに思っています。
しかし、ある意味では、その場になってみないと、自分がどんな人間であるかを理解するのは難しいので、世に言う、力のある不動産屋さんというのは、そうした方でも、上手にお世話されるのかもしれません(笑)。
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