リフォームの費用対効果 全米不動産協会調べ
全米不動産協会が毎年とっている”リフォームの費用対効果”データを紹介します。
一般的な売主が、ひとつのリフォームプロジェクトに投入する場合の平均コストと、それから、それが、物件の市場価格にどう反映されるかを調査し、費用対効果のパーセンテージを、算出したもの。
2009年から2010年までのデータによると、費用対効果が一番高かったのが入り口に、高い鉄のドアをつけるリフォーム。1,000ドル台でできて、リターンは、実に、128%です。以下、高額リフォームも含め、トップリストを一部紹介します。
小額コストでできて、イメージがよいものとして、そのほか、ウッドデッキ(約1万ドル)、サイディング(断熱材追加なしの樹脂の場合で約9,000ドル)と、外回りが効率よいことがわかります。協会は、これを、curb appeal is king と評しています。(Curb Appeal とはなにか。こちらから。)
年次トレンドもあるよう。2005年次、キッチンリフォームは、100%の回収率でしたが、その後、キッチンの高級化による「だまし」バブルブームが終わったのか、毎年、投資回収率は下がって、今年は、78.3%に。今でも、効率がいいことは間違いないのでしょうが、金額的には、部分リフォームでも、2万1,000ドルかかる作業なので、予算がない場合は、無理をしないほうがよさそう。
中くらいのコストの案件として一番リターンが大きかったのが、「2階の屋根裏にベッドルームを取り付ける」方法。
4万9,000ドルで、取り付け可能で、鑑定は、堂々の4万ドルアップと、投入による費用対効果は、83%でした。
これは、2ベッドルームや3ベッドルームの家が、3ベッドルーム、4ベッドルームと部屋数表示を変えられるわけですから、実需希望者人気のみならず、家賃が直接アップするリフォームでもあります。
この統計は、Remodelling Cost & Value という名前。オリジナルリンクは、こちらから。毎年、リモデリング誌と全米不動産協会が連携して行うもので、私も、アメリカにいたら、買いたいですが、他方、ネットでこれだけ見れるのですから、太るわけです(爆笑)。
当然ですが、この統計は、主として、自分の家についてと考えたほうがよいと思います。投資家、フィックスアッパーであれば、これと同じ数字では、採算割れになってしまいますね。投資家が行うリフォームと、ここでNAR(全米不動産協会)が取り上げている、実需の一般の方が行うリフォームは、いくつかの点が、異なっているかと思います。
■投資家は、いつも、リフォーム発注をしているので、単価が、卸単価。一度きりの発注では、同じ仕入れ値は難しいでしょう。
■実需の方が自分の家に対して行うリフォームは、それなりに、デザイン性や良質な仕上がり水準を前提とします。投資家であれば、どんなお金のかけ方も、”賃貸物件仕様”です。
このブログは、アメリカ在住の方々もよく見てくださっていますから、自宅のリモデルをされることを検討されているのであれば、自分のエリアのリモデリングコストをPDFでダウンロードすることもできます。予算が限られているのであれば、何をリフォームするべきかについての優先順位を決定するのに使えるのではないでしょうか。書斎リフォームなんか、リターン率が、低めですね。
ちなみに、投資家案件といえば、私たちのデトロイトの投資物件は、大体、新築時は、2BRの平屋が多く、しかし、確かに、現地では、大体、屋根裏(attic)を3つ目のベッドルームに仕立ててあるものが、圧倒的で、賃貸的にも、価格でいったら、50ドルから100ドル家賃が違いますし、そもそも、比較すると、2BRは、客付けには、やはり、苦戦します。
デトロイト案件で、フィックスアップ専門の投資家が、自前で、屋根裏リフォームをやるとすれば?
フルタイムの自前チームがすでにあるので、取引先の実際のコストは、大体、面積が狭い場合は、5,000ドルからということでした。
++++屋根裏リフォーム済みデトロイト投資物件例++++++
《この写真は、単に、最近の紹介物件からとってきたリフォーム済み屋根裏の例。この屋根裏を、5,000ドルで仕立て直したという意味ではありません。現地物件の屋根は、ベッドルームへのリフォーム済みのものが多いので、多くの場合、「自分が住むため」ということで、投資リターンを計算に入れていない良品質レベルリフォーム金額がかかっていると思います。》
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