デフレに思う 事業関連経費をもっと広く認めればいいのにな
今年ももう年末が視野に入ってまいりました。いつのまにやら、ですね。
昨日は、子供と一緒に、清澄白河駅前の清澄公園に行ってまいりました。すごく素敵なお庭で、巨大な鯉が山といて、えさをもらいつけすぎていて、指を水に突っ込むだけで、えさだと思い込んで、やってきます。
あんなに鯉の頭をなでたこと、今までの人生であったろうか、、、
というわけで、昨日は、大人入園料150円、子供無料で、親子で、午後いっぱい、残虐の限りをつくし、すっかり満足して帰途に着きました。
こういうとき、よく思うのですが、日本って、パブリックセクター(公的な機関)の肥大化が、本当に著しいですね。
私はケチ、いや、節約家なので、こういう格安エンタテインメントやサービスにはとても強いのですが、パブリックセクターが、民間のビジネス機会を奪っている例が多いことが、マクロ?経済的観点からは、結構、気になります。
URについては、過去に、記事を書いたことも、二度ほどあったかと思います。(こちら。何であのころはあんなにリキ入っていたのかなはは)
アメリカ在住のお客様とメールでお話をしていたのですが、同じ不況でも、なんだか、一昔前と違って、最近って、日本のほうが、デフレ傾向が著しいような気もします。
私が若いころは、アメリカ出張なんかがあると、日本より安いものが本場で手に入る、というイメージで、喜んで行って、”お買い物”をしていたような記憶があるのですが、ここ10年は、その状況は、逆転しているような感じ。
アメリカでマクドナルドに行ったら、ドライブスルーで、結構一食、7ドルや9ドルくらい、フツーに使いますし、ファミレスに行ったら、おなじみのデニーズでも、日本と違い、チップを払わなければなりません。
こうした「デフレにっぽん」の一端に、行政の肥大化があるのではないか、というのが、私の一消費者としての率直な感想。
不動産関係だと、URの他、シルバー人材サービスは、大家さんの強い味方で、私も、お世話になっていますが、同種の民間サービスは、3倍といった価格設定でないと、営利性を実現していないように見受けられます。
子育て中の自営業者としてよく思うのは、「どうして、介護の費用や保育園などの費用を、ビジネス経費扱いにしないのかな」ということなんですが、その結果?、当然ながら、安いベビーシッターさんをお願いするというニーズが大変あって、それに対し、役所(だか外郭団体の組織肥大化による自己目的化だかわかりませんが)が、「このニーズにこたえなければ」と、やはり、ここでも、がんばりすぎていて、民間のビジネスを、どんどん奪っているのではないかという気が大いにしています。
私が知っている都心部では、ファミリーサポートセンターといったサービス(エリアによって名前が違う)が社会福祉協議会によって運営されていて、ボランティア的に、育児をサポートしてくださる方々とのマッチングをしてくれるので、私も、頻繁にお願いしているのですが、この費用が、入会費なしで、一時間800円。保険は、社会福祉協議会がカバーしてくれます。
シルバー人材センターや社会福祉協議会の事務局の方々は、優秀でまじめな方々ばかり。民間のベビーシッターさんにお願いをするときは、通常、一時間2,000円といったコストがかかりますから、紹介してくださるボランティア会員さん達とうまくやれる場合は、こちらのお財布にとっては、補助金を直接交付されているかのような便利さです。《このほか、最近は、いろいろな保育園で、月極のみならず、一時預かりというのをやってくれるが、その費用は、さらに安い。認可を受けたりして行政補助を受けている保育園が、一時保育に乗り出せば、やはり、損益分岐点が、さらに下がるのは、当然かと》
しかし、考えてみると、政策的な観点からすると、役所が、必要なサービスをすべて、市場価格以下で、提供してしまうのではなく、業者育成の観点もあわせ持っていなくていいものなのでしょうか。
こうしたサービスのウルトラヘビーユーザーの癖に、超生意気ですが、よく思うのが、「こういうニーズがある場合、それらを、所得水準にかかわらず、行政が満たすのではなく、むしろ、経費を、ビジネス経費として計上できるようにしたほうが、産業が振興しないのかな」ということ。
実は、アメリカでは、そうした費用は、一定限度まで、tax deductibleです。
ここで、IRSのウエブサイト該当箇所を紹介すると、こちらです。
Child and dependent care expenses (子供や扶養者関連の預かり経費)と呼ばれるこの経費項目については、以下の「基準」が設置されています。
Work-Related Expense Test
Child and dependent care expenses must be work-related to qualify for the credit. Expenses are considered work-related only if both of the following are true.
They allow you (and your spouse if filing jointly) to work or look for work.
They are for a qualifying person's care.
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子供や扶養者を預けるコストについては、それが、経費と認められるためには、仕事に関係しているかどうかのテストを満たす必要がある:
子供や扶養者関連の第三者による預かり費用が経費計上できるためには、以下の要件が必要である
■それにより、働くまたは求職活動が可能になる場合
■相手が、有資格者であること
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一生活者としては、アメリカ生活のほうが、いいといっているわけでもなく、皆さんご存知のように、アメリカの公教育には、日本以上に、多くの問題があり、こういう「控除」があるとはいっても、安心して割安で預けられるような良心的な有資格施設なんて、なかなかない場合が多いと聞いており、私も、「アメリカでの子育てのほうが大変そうだな」という気がしていて、東京ライフの利便性には、いつも、感謝しています。(まあ私は、大体が、「住めば都」的な考えで行ってるタイプの人間なんですが)なので、これは、実態がどうかという話とは、別で、単に、ある限られた観点からのお話なのですが、、、
ちなみに、アメリカでも、なんでも「ゆるゆる」なわけではなく、たとえば、出張時の飲食費は、「出張しなくてもかかる」という理屈で、経費計上できるのは、「ビジネスミーティングだったときのみ」といった細かい規定もあり、これは、確か、日本と同じ考え方だったと思います。
私は、税務のほうは素人で、自分の所得についても、人任せで、申告の仕組みなど、まったく理解していないので、こんな記事を書く立場にはぜんぜんないのですが、今年は、「仕分け」や、「デフレ」がすごく話題になったので、ちょっと、こうしたトピックについて、自分が思ったことを、卑近ながら、書いてみました。
保育関係もそうですが、介護関係なんか、雇用されている方々の給与水準が低いということが、大きな社会問題になっています。そうした中、パイ自体を拡大できる可能性があることは、何でも考えてみたらいいんぢゃ、、、
この話が、具体的な例として適切かは、わかりませんが、私が多少知識を持っている不動産関係の政策について研究してみる限り、アメリカというのは、福祉関係も、税務署も、市場の自律性を最大限に優先し、インフレ=安定成長を共通の至上目的としているということが、わかります。現実が、市場優先主義に走りすぎて、規制が足りないため、残念な結果に終わっているのは、つらいところですが、、、
しかし、日本の場合は、反対に、今後の経済政策には、アメリカのような国も、一部、まだまだ、見倣って、むしろ、自律した市場育成を前提に、日銀(為替)はもちろん、福祉部門、税務署など各部門が、協力して、いろんな議論をしていってもらう必要がまだまだあるような気がします。
小泉改革などにより、弱者を積み残しにするアメリカ型の市場至上主義が日本でも常識化したといわれることもあるようですが、私の知っている領域では、民間は、このように、役所(の延長線にある各種団体)と競争することのほうに消耗させられているイメージで、必ずしも、アメリカ型の市場が真の意味で実現したとはいえないように思います。皆さんのセクターでは、いかがでしょうか?
追記:念のため、確認いたしますと、日本在住者が、不動産投資をする場合は、アメリカでの税務申告上、扶養や医療費、ベビーシッター費用は、ましてや、認められません。理由は、所得が、勤労所得ではないから、です。
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