シカゴ視察予定物件タイプ例 3万5,000ドルでここまでいける!
対米不動産投資家の中山道子です。経験が長くなると、気を長く持つことも覚えます。今年はなぜか対米投資ブーム。去年より円は安くなっているのですが、ご相談が多数あります。身近になったのはいいのですが、ひとつ気になるのは、高度な投資を気軽に検討しているように見える方が多いこと。
たとえば、オーナーファイナンス案件をやりたいが、どう思うかといわれることがよくありますが、私は、毎回言っているように、「意味がわからない書類にサインをしないほうがいいと思います、失礼ですが、あなたには、そういう契約内容の詳細を理解する能力はないのではないですか。」としか申し上げられません。
オーナーファイナンス案件とは、銀行融資が取れないときに、売主に、融通をしてもらい、売主に返済をしていくこと。私自身は、これは嫌いで、私のブログが参考になるレベルの方(初級者ということですよね)には勧めません。
低額物件にオーナーファイナンスをつけて、毎月、100ドル、200ドルのキャッシュフローになるといった手法は、米国不動産グルーたちがみなよく説明をしていたことですが、そのことについての私の考え方は、過去に、こちらでご説明したことがあります。サンドイッチラップについて。
普通のオーナーファイナンシングは、サンドイッチラップではなく、売主の融資を受けるだけなので、上の例ほどは複雑ではないのですが、ただ、融資を受けた上で、賃貸人をつけて、その差額がポジティブになるという話なので、実は立場は似ています。
大体、賃借人がいなくなる場合のリスクや、修繕代を考えると、毎月100ドルや200ドルといったプラスキャッシュフローは、絵に描いたもちと断じてかまいません。
上の例では、ロバート・キヨサキの手法に感心した生徒が行ったサンドイッチラップは、何年物か書いてありませんが、2007年に締結したとありますので、多分、最大でも5年、今年期限アップでしょう。通常は、2、3年ですから。
そうすると、この期間に、この物件は、ほぼ必ず値下がりしたことが予想されますので、この人の転売相手も物件は買えないだろうし、この人も、この物件は買えなかっただろうと思います。こういう物件を何件も取得していれば、管理ロスで、この人たちは、短期であれ、キャッシュフローのショート状態に陥ったはずだと私は断言します。
というのも、こういうことをやる人は、予算が少なくていいので、大体、予算ぎりぎりを、こういうことに投入して、予備金を用意していません。予算が3,000万ある方が、頭金100万で、1,000万の物件のラップ融資を受けて、案件がつまずくのはたいした問題ではないのですが、予算が100万しかない人が、大体こういうことをすると相場が決まっているので(この例の人たちも、限られた資金を広く浅く使い、数を多くやろうとやる気満々ですね)、融資を受けた案件が、テナントトラブルで、修理代がかかると、そこでいきなり、「また50万必要です」といわれ、いきなり資金ショートするわけです。
この例の人たちは、2007年から3年なり5年なりを経て、物件は購入約定額を大きく下回り、初期の購入契約価格での購入は無理な状態を迎えています。契約違反になりました。どう対処するのか?
ここで、自分で契約書類を読んだ上で、代わりとなる手はずができる当てがまったくない人がこういうことをやることが、周りにとって、いかに馬鹿丸出しに見えるものなのかということを、失礼ながら、冷静に指摘させてください。弁護士に相談すれば、1,500ドルUPが一般的フィーです。(失礼な言葉遣いで申し訳ありませんが、別段、上から目線ではまったくなく、皆さん初期の私と同レベルの行動をとらないで、ということです)
そもそも、普通に銀行融資を受けて、または、キャッシュで、物件を買い、管理や売却を経験するのだって、相当、最初は大変です。
私はよく、管理会社についての相談を受けますが、みなさん、最初の管理会社ですぐ満足するような状況はむしろ稀。管理会社は、そもそもが微妙な物件を押し付けられ、賃貸に苦戦し、遠隔オーナーは、回りまわって管理会社にさらに不満を持つ、そういう構図が、結構よくあるのです。
それに加え、投資が雲行きが怪しくなったときのこれだけの面倒を考えてみてください。皆さんには本業があるわけですので、自分の時給を考えてみたら、自分の時間が、無料無制限ではないことにも気がつかれるでしょう。このレベルのトラブルシューティングに使える潤沢な時間なんて、投資家専業の私ですら、ありません。
ということで、例によって脅しまがいの前置きですみません(苦笑)。
転じて一応明るい話題を、、、(多分)
この夏のシカゴ行きで、私も、シカゴ研究を着々と進めています。最近のシカゴで、どういう発掘ものが見られるか、皆さん、興味を大変持っていただいているようですので、ブログでも、ちょっと、ひとつの例を、ご紹介です。
この記事の冒頭の写真は、ショートセールで、この2月に掲載されたシカゴ大学近くマンションの近影。
こちらは、キッチン。このキッチンは、いいですね!
サンデッキ。夏はいいですね!中西部の夏は、CAやNYほどまで暑くならないので、私は大好きです。さすがに、このサンデッキからの景色がシカゴリバーだったりすると、この値段では掲載されないでしょう、、、
物件概要
シカゴ大学、ワシントンパーク徒歩圏。築年数不明レンガ建物内一室。
広さ 1,000SQFT(90平方メートル)
概要 2BR、1BA
管理組合費 200ドル
固定資産税 1,790ドル(購入後の評価変更で下落可能性大)
想定家賃 1,100ドル前後
管理費 7、8%前後
ショートセール掲載価格 3万5,000ドル
紹介:市内でも微妙なエリアに近いので、引きずられ、この値段になっていますが、バブル時には、20万ドル台だったこうした案件が、この値段で手に入る状況が生じ始めています。といっても、銀行との交渉のスタート地点の価格なので、この額は、それほど硬い数字とは限らず、状況を見て、上または下に指値していきます。
1年前までは、ちょっと想定できなかった状況。
シカゴは、ほかのエリア同様、市内はブロックごとに流れが違うので、地元のネットワークが大切。たとえば家賃補助を受けるようなテナント層向けの物件を経営するスタイルも当然あるのですが、そっちは、私のグループでは、すでにある程度の比重をもって、デトロイトでやっているので、同じリスクを別都市でも選んでいくことには、あまり意味がないだろうと思っており、そのため、今、せっかく違うランクのテナント相手の経営ができるチャンスですので、そちらは、今回、ターゲットにはしていません。
テナント層は、場合によったら大学関係者、たとえば大学院のPhDランクの学生やリサーチャーなどが居住するような展望もありそう。都市部ということで、エリア的に、微妙なエリアに近いマンションも多いので、細かく丁寧に拾っていく必要があります。(またはもう少し高額でさらによいエリアを狙っていく)
短期間に反転するとは言いにくいので、とりあえずは、長期ホールディングできる展望が必要です。また20万ドルに戻ると期待するのは過大かと思いますが(笑)、5年、10年の間に、値上がりも目標にしていけるのではないでしょうか。
ショートセール、銀行処分ものは、多少の修理も見込み(私自身のポリシーもあり、表面的なレベルのもの以外にはお勧めしません)、何件か入札をしていく手間があります。また購入金額が低いため、仲介手数料では足りず、こうしたランクの物件例に漏れず、取得コストは、コンサルフィーとして、上乗せになります。
そこら辺も、あわせ、7月の視察ツアーで、いろいろな物件をお見せしていきたいと思います。とても楽しみです。
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