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男性脳!女性脳! 不動産投資にもあるある、しかも、これが痛い? 後編

こちらの記事の後編です。


さて、ということで、今回の物件の状況のスライド・ショーは、こんな感じです。

こうやって見て見ると、このシャープで、重厚なイメージ、質実剛健で機能的な空間、、、そう、まるで、BACHELOR PAD状態。 (独身男性が、パーティーなどする、生活感がない居宅) しかも、パーティーするというより、少し年齢が上の、落ち着いた独身男性をイメージしているかのような、、、汗

凝り性のパートナーですから、表面的に見えないところも、水道管対策はばっちり。この物件は、もともと、


5ベッドルーム
2バスルーム
200平方メートル位


という巨大物件。これを、パートナーは、なんと、未使用だった地下室をフルリフォームし、


5ベッドルーム+地下室にもうひとつの合計6ベッドルーム
2バスルームに、さらに2フルバスルームをつける
250平方くらいになった


というさらに大きな物件に仕立て直しました。使い勝手は、、、いいんじゃないでしょうか。

前の記事でも説明したように、


□ シカゴの郊外、高級エリア
□ 公園の目の前で、
□ 有名私立の近く

と申し分のないロケーション。

「ここなら、すぐにオファーが来るだろう」と胸算用だったパートナーなのですが、、、


実は、私も夏にこの物件を見たとき、ひとつ、気になったのが、キッチン。

私は設計や内装はまったくわからないので、完全な素人の印象なんですが、なんだか、使い勝手が悪そうな気がして、、、ひとつの理由は、シンクが、小さいサイズだったこと。

米国のお皿は、とても大きいですが、6つも寝室があるような物件で、誰かが、例えば、5人家族のために、日常的に料理をすることを考えると、キッチンのカウンタースペースは有り余っているというのに、そこに入れたシンクは、見劣りするほど小さいサイズ、、、


私がそのとき取った写真。


IMG_6055_R.JPG


全体の仕上がりのスライドショーを見ていただくとわかるのですが、キッチン周りの家電は、高級エリアにふさわしく、高級なものばかりで、スペックは、申し分なし。

しかし、私のビジネス・パートナーは料理なんかしないので(さらに、彼や彼の一家は質素なのでと付け加えてもいいかもしれません)、このサイズのシンクが、6部屋の郊外に居住するような中産階級の(大)家族にとって、どう見えるかを、このサイズのキッチンにとって、比率がどうなのかを、見落としていたのではないかと思うのです。

思うに、それが、PREMONITION(予感)だったのです。

その段階では、「今後、シンクはもっと大きくしないと、このタイプ、サイズのファミリー向け居宅では、このランクではだめだと思う」と指摘しましたが、すでに設置が終わっているキッチンのやり直しを要求するような立場にはありません。私自身、実践経験はないので、「何かおかしい」とは思っても、それ以上に、言語化することは、難しかったのです。

しかし、9月にMLSに物件をアップし、内見はたくさんあるのですが、実際の購入オファーがないという状態が、、、、

そこから、遠隔からの私の分析癖が、存分に発揮されることになりました、、、



このエリアの構成は、下のような感じです。


□ 白人比率は7割
□ 世帯所得中間値は7万ドル以上


シカゴ南部と比べると、大きな違いで、ここでポイントなのは、たぶん、男性、女性という視点のみならず(それもそうなのですが)、実は、人種という観点、さらには、SOCIOECONIMIC(経済的)な観点。


そもそも、パートナーは、以下のエリアでのフィックスアップに慣れています。


□ 白人比率が低く、黒人、その次に、ヒスパニック系のエリア
□ 世帯所得は、全米中間値の5万ドル以下のエリア
□ 福祉受給者など貧困層が多いエリア


彼自身、大家族であるにもかかわらず、そうしたエリア、シカゴ大学近辺ですが、そのあたりにコンドミニアム住まい。奥様も、質素で、皆さん、《隣のミリオネア》ライフ(つつましく暮らし、大きな資産を構築する)を送っています。

それ自体はすばらしいのですが、ここで、ひょっとして、過少評価されていたかもしれないのが、以下のポイント。(実際の内見された方々からのフィードバックがまだないので、想像です)


□ キッチン周りに対するこだわり

貧困層は、そもそも、料理なんか、しません。残念ながら世界的な傾向です。キッチンのシンクや間取りは、福祉受給者レベルでは、たいした重要性はなく、それに対し、中産階級は、気軽に「パーティー」を催したりと、キッチン・リビング周りに集まるというライフスタイルがまずありますし、そもそも、料理をする人の比率がぐっと上がるわけです。

こう考えると、キッチンのあり方は、シカゴ南部では、賃貸の場合は、DEAL BREAKER(ご成談するかしないかを決める決定打)ではないわけです。しかし、中産階級向けに郊外で物件を高い値段で売る場合は、より大きな意味を持つのではないでしょうか。《ただ、前回の問題になった物件も、これは、シカゴ南部でしたが、キッチン周りにバストイレがあるという話でした。賃貸→実需→高級物件の順でこうしたこだわりが強くなっていくのではないかという仮説が立てられるかもしれないわけです。》


□ 嗜好と色使い

これ、日本だったら、普通、《男性脳と女性脳》という対比が中心かもしれませんが、米国では、《白人脳とマイノリティ脳》という人種の軸もあるのかもしれません。

米国を旅行したことがある方は、ご存知でしょうが、地域格差もありますね。カリフォルニアは、インテリア、明るいですが、ニューヨーク、ボストンに行くと、暗く重厚になります。

地域差・性差でもあると同時に、人種差としても、この対比があって、私の見るところ、黒人は、着るものひとつを取ってみても、暗い色が、似合います。モスグリーン、ブラウン、真紅。白人は、これに対し、サンドグレーやカーキ、白を好みますね。

それに対し、今回は、なんと言っても、6部屋あるうちを、世帯所得が7万ドル以上の白人家族に売るという話ですから、当然、「家庭の主婦(または主夫)」が、家族のあり方を前提に、細かいチェックを入れていくことが予想されます。

典型的な購買層は、確率から言うと、この家のお客さんは、下の属性の方になるのです。

□ 白人
□ 夫婦+子供
□ 世帯年収7万ドル以上、学歴は大卒

こう考えると、上の内装をごらんになると、


□ 重い。男性的。機能主義的な美を追求するタイプの内装。
□ キッチンのモノトーン・タイルは、アニマル柄をも連想させ、より黒人系なイメージ。
□ キッチンまわりが料理好きには微妙


と、突っ込みどころが、いくつかあるように思えるのです。

再度、キッチンの写真掲載しますと、、、


08722369_6_R.jpg


ああ、、、やっぱり、離婚した男性(都会的でリッチな黒人?いずれにせよ、カリフォルニアじゃなくて、ニューヨーク・スタイルですね)しか、思い浮かばない、、、TT

ここまで、すべて仮説ですが、しかし、その有効性を検証するために、近隣物件を、いくつか覗いてみました。

その結果、、、下は、この物件周囲エリアにあった近隣物件のキッチンのスナップショット、、、エリアが古いので、いずれも、キッチンが、ぐっと大きいというわけではなく、その観点からすると、シンクのサイズだけを比べるだけなら、当方の物件と大差ないように見えます(図ることができませんが)。そういう意味で、こうした近隣物件に、けちをつけようとすれば、それぞれに、いろいろ、できそうです。しかし、写真をぱっと見た感じ、やっぱり、色彩感覚が、ぜんぜん違うんですよね、、、

1oka1.jpg

1oka2.jpg

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やっぱり、なんか、演出が、もっと、家庭的だ、、、

冒頭に紹介した満室コンサルタントの友人、尾浦さんによると、部屋をリフォームするときは、エリアをリサーチした後に、近所に病院があるとすると、「このマンションには、30過ぎの看護師さんに住んでもらいたい。彼女は、友人も多く、彼氏もいる。ブランドは、こんなのを買う」とか、「お話を、細かく作りこみながら、仕上げる」んだそうです。

高々10万もいかない賃料の賃貸に、部屋ごとに、そこまでのディテールとは、舌を巻きますね。しかし、そうすると、本当に、そういう属性どんぴしゃりの方に、前倒しで、決まっていくんだそうで、、、

確かに、私のシカゴのビジネス・パートナーは、「自分の得意なスタイルはこれ。これまで、シカゴ南部では、これで、結構うまくいってきた」で押してしまい、「新しいエリアでは、どんな人に、入ってもらうかを、考え直す」という観点が、今回、欠落していたかもしれません。

今回仕上げたこの家でも、写真を見る限り、「これだよ、これ」という色彩感覚が発揮できている部屋はあります。それが、こだわりのマスターバスルーム。

08722369_13_R.jpg

キャビネットが焦げ茶じゃなくて、白いです!よくやった!!これなら、奥さんや、カリフォルニア好きの人の色彩感覚も、満足させられるはず。この軽やかさが、キッチンで、できていれば、、、しかし、こう考えると、「あのキッチンを使う独身男性」(もう決め付け)が、「上のフェミニンなメインバスルームを喜ぶ」とは思えません。やはり、イメージが、少し、統一性を欠いているのでしょうか。


参考までに、過去に、パートナー自身がこれまで手がけた物件のキッチンの「仕上がり後」の写真を、掘り出してきました。前のスタイルは、どうだったかな、、、いずれも、私や私のお客様が、融資をした案件です。



Kitchen2.JPG
安いランクのキャビネット使ってるが、明るい!


ridkitc.jpg

ridkitc2.jpg

なんだ、こういう程度でも、まだ、OKじゃないですか!!

実物が比較できないので、光の加減の可能性もありますが、やっぱり、この今回の物件より少し明るいように見えますし、モノトーンのタイルより、こっちのタイルのほうが、ぜんぜんニュートラルですよね。


あああ、、、

もっと低ランクのエリアで手がけているフィックス・アップ物件だって、もっと色調が明るいものばかりなのに、今回、価格が2倍以上の高級物件を売るのに、OFF HIS GAMEだった(調子が狂った)のでしょうか、、、TT


しかし、フルリフォームは、建築基準法から、下水道の問題、主婦のご機嫌まで、ひとつひとつ、目配りに気が抜けない大変な事業ですね。男性脳、女性脳、あらゆる頭の働かせ方をしないといけません。

現地パートナーは、この「計算違い」の結果、空室期間が倍増し、売却価格に大きくけちがついた可能性があります。


これだけ、綿密に仕事をしてきたのに、最後の詰めが、甘かったのです。。。。彼は、ベテランなのに、エリアが、自分の普段の守備範囲から、高々車で30分のところに移っただけで、、、

自分が100%責任を持つ不動産投資って、怖いと思いませんか?

実は、このディールを見る私が、第三者モードなのには、わけがあります。今回、この物件には私の投資家様をご紹介し、融資を融通しているのですが、私のお客様にとっては、


□ 経費どころか、リスクはすべて、現地の人間が負う
□ 問題が発生し、回収が遅れる場合は、融資期間が長引くだけで、さらにリターンが安定する
□ はっきりいって、基本、こういう細かいことには、興味を持たないで済ませられる


という状態だからです。

この「売却が遅れるかもしれないという問題発生」の件も、別段、投資家様には、ご報告すらしていません。本業がお忙しい方です。別段、ご興味をもたれないでしょう。

現地のビジネス・パートナーである地元のリフォーム業者さんは、顔色が青くなりはじめていますが、私のお客様である融資をしている投資家様は、固定金利の約束で、このプロジェクトに融資をしています。この案件は、利益幅が厚いので、様子を見ながら、値下げをすることで、対応することが容易であることがわかっているので、この計算ミスで、損をするのは、「当てが外れた現地投資家だけ」なのです。

当方の融資合意

□22万7,000ドルの融資
□金利は、年率で12%(日割り計算)

いかがでしょうか。このような投資スタイルなら、空室リスクや見込み違いによるロスを、まったくかぶる必要がありません。

このスタイルの投資については、独自にHPを作りましたので、そちらを、ご覧になってみてください。


不動産を担保とした高利回りの融資とは


まだ、初期のものしかアップできていませんが、今後、実際のケースを、どんどん追加していきます。ご関心の向きは、このページの下方にあります欄で、私のメルマガへのご登録をお忘れなく。

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