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売買が成立しないとき 統計から

対米不動産投資家の中山道子です。

米国では、今週、感謝祭ですね。個人的には、感謝するところ多々ですが、他方で
は、業界にとっては、年の後半は、毎年、かきいれ時からの下降線となります。

8月いっぱいで、「移動シーズン」は終わりますので、学期が始まる前の8月下旬以降、最初の落ち込みがありますね。10月のハロウイーンと来て、11月末のサンクスギビングになるころには、積雪になる他、皆さん、休暇気分で、里帰り。感謝祭後のブラックフライデーは、家族そろって出かけるセール大イベントで、これも、支出ポイント。

12月のクリスマスシーズンも、当然、ギフト購入需要が喚起される時期で、キーワードは、やはり、家族、旅行、プレゼント。

家庭内消費が続き、不動産業界は、小売業界に負けてしまい、完全に、用なしになるのです。そのため、売るときは苦戦しますが、買いたい場合、こちらが選ぶのには、いいシーズンという考え方もあります。

最初にクリスマス関係のこうした統計を見たときは、信じられませんでしたが、ギャラップの最新調査によると、「2015年、米国人は、平均で、クリスマスに、830ドル支出するつもり」らしいのです。

Americans Plan on Spending a Lot More This Christmas

はああ、、、米国内需拡大の機運に、万万歳ですね。。。

さて、今日は、さらに興味深い統計です。物件を購入しようとするとき、売ろうとするとき、契約までこぎつけてからも、いろいろな経緯がありますよね。

私も、10件に2、3件は、関与する投資案件が、「駄目」になります。理由は、いろいろあります。

私が経験している「決済不成立」の理由のいくつかは、こんな感じです。


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こちらが売るときに経験していること。
===

ーーーケース1

> 買い手が、銀行融資を前提として購入しようとしたところ、鑑定額が希望売買額に達成せず、差額を買い手が出さなかったため、駄目になった。

買い主は、通常、自己属性に関しては、仮審査を受けているので、単純に銀行融資が出ないというケースは、まれだと思います。ただ、細かいことで、銀行が何回も買い主に書類を要求し、最大3週間くらいの決済遅滞があるのは、普通です。

ーーーケース2

> あちらが建物検査をしたところ、気に入らないところが見つかり、当方が対応しても、スルーしてもらえない場合。

フィックスアップの場合は、あちらの建物検査士が指摘することに対応するのは普通なのですが、まれに、納得してもらえないことがあります。


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こちらが買うときに、経験していること。
===

ーーーケース3

> 冬の空室物件で、前日のチェックで、水道管が破裂していて、こちらの修理見積もりが上方修正になったため、約定額での購入を拒否した。

ーーーケース4

> 名義瑕疵問題。

売主側が相続人だったりして、「これまで知らなかった共同相続人が出てきた」。離婚した夫が、まだ名義書に名前が出ていて、それを消すのに元夫のサインが必要であるところ、連絡がつかない。気がつかなかった抵当権が残っていて、「もう債権は支払いが終わった」というものの、抵当権の抹消に、手間がかかっている、ETC、ETC

ーーー ケース5

> 物件に、売主以外の居住者がいて(たとえば、共同相続人の一人)、契約期日までに、引越しの約束を守らない。

こういう場合、「引越しするする」といわれても、本当に任意にするかは、わかりません。

その際には、最終的には、強制退去を要求する必要が生じるかもしれないため、そのような段取りになってしまうと、やはり修理見積もりが大きく変わってしまいます。


ケース4や5では、「そのとき」は、だめになっても、半?後に解決して案件が戻ってくることもあります。

私の経験は、こうした単発ケースですが、ここで、統計を。

realtor.org から、最新情報を見ると、以下となっているようです。


Contract Settlement Issues: Financing and Appraisals are Major Issues


全契約案件のうち、64パーセントは、時間通りに決済ができるということです。

それに対し、3割が、最初の約定時期(通常は契約成立から30日と思われます)より、決済に長くかかっています。

つまり、一般には、6パーセントしか、契約破棄には至らない様子。

私の場合は、DISTRESSED案件に関与することが多いので、統計より、トラブルが発生する確率は、ずっと高いのですね。

Distressed sale とは?


それで、一般に、決済に至らない場合、以下が理由になるということです。

> 契約破棄 6パーセント
> 延滞後、決済 30パーセント
> 契約時間通りに決済 64パーセント

Of all contracts settled/terminated, financing, appraisal, and home inspection issues were the major problems: 18 percent had financing issues, 11 percent had appraisal issues, and 11 percent had home inspection issues.

破棄となった契約においての問題は、融資(18パーセント)、鑑定(11パーセント)、建物検査(11パーセント)だった。

Among contracts that had a delayed settlement (30 percent), 42 percent of contracts that were delayed had financing issues.

延滞の42パーセントは、融資の問題だった。

Among contracts that were terminated (six percent), home inspection and financing issues were the major causes, with 28 percent of contracts experiencing both these issues.

破棄となった6パーセントは、建物検査と融資が一番問題で、うち28パーセントは、両方の問題があった。


いかがでしょうか。

普通に一般仲介で、オーナーチェンジ案件を購入する場合には、それほどの大きなトラブルは、ないでしょうが、唯一あるとすると、一番の「ありがち」ケースは、

> 物件の契約額と鑑定額に差が出る

事かも知れません。

契約合意額が、たとえば、28万ドルであるのに、鑑定額が、27万8,000ドルで帰ってきたなんていう場合ですね。

その場合、融資は、27万8,000ドルを基準として出ます。

つまり、7割の融資オファーが決まっていた場合は、28万ドルではなく、27万8,000ドルの7割しか貸してくれなくなります。そうすると、予定していたより、2,000ドルの差額が出ることになります。これを、どう処理するか、といった問題ですね。


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