Waiver of rights 権利放棄
不動産投資以外でも、よく出てきますが、契約一般について、問題になるのではないでしょうか。
Waiver of rights は、権利放棄同意です。
契約で、相対しあうとき、
1)自分にはこれこれの権利がある
2)しかし、その行使を放棄する
3)そのことを、書面に残す
場合。
簡単に、することでは、ありません。
たとえば、下の例。
*******権利放棄で失敗した例*********
私の物件に前入居していたテナントさんが、家を買うにあたり、自分の不動産エージェントを信用し、彼が薦める、ある物件を買ったとき、彼は、売主のエージェントでもでありました。
その結果、彼女たちは、届出なしで改造した物件をつかまされ、そのことがきっかけとなって、自己破産に至りました。
こちらで、詳細を、記載しました。
このとき、彼女たちは、waiver of rights を含む契約書にサインしたはずです。当該エージェントが、売主の利益の代理人であることから、conflict of interest 【利益衝突】があり、それを認めた上で、彼を自分のエージェントとしても、アポイントする、という書類に、、、
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実は、この前は、別の例が、私の知るところとなりました。
前から存じ上げている方が、自分が投資した物件の固定資産税が、何千ドルもの驚愕すべき額になっているというのです。細かい額は、私が言及するべきでないでしょうが、四捨五入すると、1万ドルになります。
物件自体は、10万ドル以下の購入価格。真っ青になって、私に相談をされてきたのですが、この方は、各種事情に不案内で、「管理会社が私をだまそうとしているのではないですか?」と聞いてきます。
そこで、管理会社に私が問い合わせの電話を一本入れたところ、以下のような回答でした。
**********固定資産税が、何千ドルにも、、、********
この都市は、私が投資しているデトロイト市と同じように、水道代が高く、しかも、滞納水道代が、固定資産税に繰り入れられるシステム。【エリアによってこの問題は対応が違います】
つまり、この固定資産税は、売主が物件を持っていた期間中に、名義書換前に、滞納されたものなのです。
私は、さすがにびっくりしました。
「決済時には、タイトルカンパニーを使わないの?」
と聞くと、
「うちのほうは、弁護士を使って決済するシステムなんだ」
というのです。
ああ、そういうことか、、、すぐ、わかりました。また、waiver of rights だと、、、
アメリカの決済は、タイトルカンパニーを第三者的に使う方法と、双方が、弁護士をそれぞれに代理人に立てて決済をする方法が二つあります。
私も、NY州では、弁護士決済を手配しますが、弁護士決済は、正直、嫌いです。
弁護士自体は、有能であっても、自分の事務所の事務員にやらせるだけだったり、あるいは、売主の弁護士事務所が無能で、つまらない失敗が、はっきりいって頻繁に起こります。タイトルカンパニーより時間がかかることが多いのも、問題点のひとつ。
いずれにせよ、売主は、「決済は自分は手配しますから、ここにサインだけお願いします」的な形で、多分、遠距離のこの買主に、自分の選んだ弁護士を立てる権利を放棄する条項でも作成してしまい、決済書類とあわせて、サインをさせていたのでしょう。
上の例で言うと、タイトルインシュアランス【権原瑕疵保険】を購入していれば、保険会社が対応してくれます。そして、保険会社自体が、売主を訴えることでしょう。実は、タイトルカンパニーのもうひとつの顔は、「タイトルインシュアランスのセールス」であるので、タイトルカンパニーで決済すれば、いやでも、タイトルインシュアランスを買わされます。
しかし、こういった弁護士相対のクロージングでは、タイトルインシュアランスを購入すること自体が、必要ではなく、この方は、タイトルインシュアランスを購入したかどうかも、わかっていないようす。
この物件は、オーナーファイナンシング案件で、銀行融資を通していません。オーナーファイナンシングを、素人が、容易にやってはいけないのは、こういうところを、チェックしてくれる第三者【銀行】がいなくなるから。
もしタイトルインシュアランスがなく、かつ、売主が、示談に応じなければ、オプションとしては、売主と決済を担当した弁護士を訴えるか、「その手間が面倒」であれば、この費用を自分でかぶることになります。
決済直近のメーター確認は、現地に出向いたりしなければいけないので、大変、面倒ですが、「直前の請求書」が出た時期までの売主側負担額自体は、決済担当者が、水道局に電話一本もすれば、確認できるのですが、、、
都市によっては、水道料金について、こんなシステムはありません。一般的には東部や中西部によくあるシステムですが、西部では、「??」でしょう。
この管理会社によると、他にも、よその州のアメリカ人で、こうした州外システムに不案内なため、同じ売主のせいで、同じトラブルにあっている人を知っているということでした。
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