管理会社経営は勉強になるなあ Wrongful Eviction Insurance とは何ぞや?
去年、対デトロイト投資は、投資案件の件数も増え、管理会社を直轄体制に一本化することに成功しました。
管理会社と足並みをそろえて、緊密に連絡を取り合うこととなり、今後、管理もネット上、100%、データ入力・管理を行うことで、私も、リアルタイムのアクセスをしていく予定です。
このように、対米投資をするにあたり、管理会社経営の一角まで担うことになるとは、思いもしませんでした。
事実、デトロイト以外のほかのエリアでは、一方的に、管理会社の言うことや、管理組合の言うことを聞いているだけです。
こうして、(例によって)正式の勉強をすることなく、実践ありきで、管理会社運営の勉強をすることになった私ですが、今日は、保険について、管理会社と話す機会がありました。
イメージがつくと思いますが、アメリカというのは、本当に、いろいろな商品が豊富。
保険も、例外ではありません。
対デトロイト投資を任せている当グループ管理会社さんは、
wrongful eviction insurance
というものにも、加入してくれているんだそうです。
どういうものかは、直ちにわかった気になりながらも、そんなものがあるということも、考えたことがなかったので、やはり、アメリカのすごさ(?)に、毎回、感心。いや、感心している場合じゃ、ないのか。
ロングフルイヴィクションとは、「違法な/損害賠償の対象となるような強制退去手続」のこと。
日本でも、そういえば、近年、ゼロゼロ物件について、訴訟になったりするようになっています。
米国では、契約上の地位は、ある意味、流動的かつ対等で、通常、多くの州で、
■賃料延滞があれば、数週間以内に退去命令
■1ヶ月以内に執行官による執行
が可能。もっと楽な州もあります。
ネバダの場合なんかは、
家賃不払い初日から10日間
で、constableに、追い出しまで手配してもらえます。(英国では、コンスタブルというのは、警察官のことなのかもしれませんが、ネバダでは、治安関係の公務員のことをいうようで、細かい他の責務は調べませんでしたが、強制退去の執行を担当してくれます。)
しかし、当然、違法執行は問題になりうるわけで、ネットを見れば、大家が不適切で困っているというテナントさんの相談事例なんかも、いろいろ、出ています。
そういうときには、通常、困窮層でも、地元の弁護士会などに連絡をすれば、多く、無料で(プロボノ、pro bono、非営利)手伝ってくれる弁護士が見つけられます。
そこで、大家が横暴であれば、wrongful eviction に対する訴訟が起こされても、不思議がないわけですね。
ということで、訴訟が起こったとき、どうするか。
訴訟を起こされれば、被告として、裁判対策をしなければならず、そのための保険が、wrongful eviction insurance だというわけ。
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とここまでは、フツーに「なるほど」でしたが、さらに調べてみると、もっと恐ろしい「保険業界/法曹界の真実」が明らかに。
Wrongful eviciton insurance は、「裁判所の手続きを守った合法的な強制退去」に対する訴訟は、場合により、「対象外」となるんだそうです。
「違法な強制退去」とは、原則、
■裁判所の手続きを守らないでオーナーが暴挙に出たとき
が対象。
ここで、だんだん混乱してきた私は、管理会社のオーナーに、実際のところを、聞いてみました。
☆「Wrongful Eviction は、合法的な強制退去手続の場合は、問題にならないの?」
通常の退去手続きなら、ヒアリングがあるだろう。
それに出られないで後からけちをつけるためには、欠席についてのきちんとした理由なんかを提示しないといけないし。
ヒアリングに出ていたのに、決定が出た場合、上位裁判所に控訴することはまあ理論上はできるけれど、実際には、相当なコストになるから、そこまでいくと、僕たちレベルの物件では、向こうに、訴訟を起こすような実質的な意味は、あまりないだろうね。
だから、保険の対象にならなくても、関係ないんだ。
☆「管理会社が、法を守っていれば、wrongful eviction を起こさないですむわけだから、そう言う場合は、そんな保険は、不要なんじゃないの?」
グレーゾーンがあるからね。
ほら、今週、H通りのテナントが、滞納した上に、勝手に姿をくらましただろう?家に行ったら、引越し屋のトラックとかが横付けになっていたじゃないか。あの時は、ちゃんと連携をとって問題を一緒に解決するという約束があったから、腹が立ったよ。
一応、待ち伏せして、準備していた賃料不払いの債権回収訴訟のほうの裁判所の召喚状は渡せたけど、強制退去のほうの裁判手続については、交渉中だったから、着手していなかったんだ。
だけど、こうなると、これから、そっちの準備しても、向こうは雲隠れだから、告知に手間取る状態になるし、こっちも、法的手続きを経るコストや時間がもったいないだろう?
もう面倒だから、出て行った後に、単に、鍵を変えるだけで、対処することにしたんだ。
この場合は、向こうは、一応、wrongful eviction の訴訟を起こせる立場にあるといえるよね。こちらは、法的な手続きなく、侵入したわけだからね。
まあ、この件も、実際上、訴訟にはならないと思うけど、一応、こういう場合、ロングフルイヴィクション保険の対象となりうる可能性があるってことで、安心料と思って、払っているんだよ。
ミシガンでは、賃貸借契約は、オーナーとは直接契約してもらう必要がないから、ぼくらも、契約は、管理会社対賃借人であって、訴えられるとしたら、僕の会社だからね。家主さんは、安心してもらっていいよ。
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訴訟社会であるといえるアメリカでも、このように、日常は、すべて、杓子定規とも行きません。
「法でこうなっている」ということと、実際の常識的な判断は、違う場合もあるということですね。
法を知らないで何かするのは、大問題ですが、どんな場合でも、触法を気にするばかりでは、こちらのコストやストレスはかさむばかり。
管理会社によっては、上のH通りの例のような場合、異なる判断を下す場合、オーナーに金銭的コストが増える選択肢を選ぶ会社もあるかもしれません。
不動産管理の場合、こういった微妙な場合が多いので、管理会社の腕が、大きく、状況を左右しうるわけですね。
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あ、ありがとう、Tさん。私たちはみんな、Tさんが、大好きだあああ!ブログの中心で、大きく、愛をさけぶby中山道子
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