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マイソクにあって、MLSにない情報とは!?【間取り編】

私のお客様には、経験豊富な不動産投資家の方も多く、そういう方は、「不動産をよくご存知だから」と私のほうは、安心して甘えているところがありますが、実は、「経験豊富な投資家さん」のほうが、対米投資は、恐ろしいかもしれません。

日本についても、多少は勉強するようにしてきたつもりなのですが、遅まきながら、最近になって、ようやく思うようになりだしたのが、頭のスイッチを完全に切り替えないと「両方はできないだろうなあ」、「逆に、日本の投資を知らない方のほうが、スムーズなくらいなんじゃないだろうか」ということ。

なぜかいうと、常識が、100%違うからです。

このブログでも、そのいくつかは取り上げてきました。たとえば、査定【日本でも最近は不動産鑑定といって普及し始めました】や検査【同様】についてとか、、、

大体、「アメリカのほうが進んでいますよ」といった話をしていると思いますが、ひとつ、日本人投資家にとっては、「アメリカって、進んでいるというより、ぶっ飛びすぎじゃ?」とあせるかもしれないのが、このトピック。

日本で「マイソク」といえば、不動産物件チラシのことですが、そのマイソクにあたるのが、MLS掲載の物件情報。

MLS掲載物件は、Realtor.comで、一般向けに、見られますが【ただし2週間遅れ】、しかし、それは、情報の一部で、フルに情報を見たいと思ったら、レアルターさんに、取り寄せを頼まなければいけませんね。


そして、アメリカの物件情報って、間取りが載っていないのです!ヽ(  ̄д ̄;)ノ


Realtor.comで掲載されている資料を見て、「レアルターに問い合わさないと、間取りもわからないのかよ」なんて思っている方。


取り寄せても、やっぱり、わからないですから!


不動産投資大国、中古市場成熟市場を擁するアメリカで、なぜ、、、


もちろん、間取りについての取り決めをする必要が、まったくないわけではありません。

新築分譲物件の場合は、間取り、選べます。パンフレットにも、載っています。【ちなみに、間取りは、floorplanといいます】

しかし、中古になると、ありません。


どうしてかというと、、、


アメリカでは、間取り情報は、別段、重要な情報ではないからです!ヽ(*ヘ*)ノ


これ、日本とアメリカの常識で本当に決定的に違うことですね。

日本だったら、間取りは命。「これは間取りが悪いな」なんて、マイソクを見て、物件をはねることも、多いんじゃないかと、、、推測します。だって、狭い国で、土地、有効活用しまくりですから。

マイソクだと、間取りって、相当時間をかけて、正確に書く部分ですよ?洗濯機を置く場所とか、、、窓の開閉が引き窓か、どうかとか、いちいち、現場を見に行って、、、正確に、書き起こす、、、のが、責任ある元付や、勉強シテイル大家さんのお定まりテクですよね。【しつこいぜ】


しかし、アメリカでは、物件のフロアプランは、中古については、いきなり、関係なくなるのです!


これは、どうしてか、私も、確たる正解を知っているということではないのですが【例によって、読者の方で詳しい方がおいででしたら教えてください。アメリカで、レジデンシャル案件関係の仕事をされた経験のある日本の一級建築士の方とか?】、多分、アメリカの間取りが、大体、どの物件も、定石パターンを踏んでいることが、理由ではないでしょうか。

例えば、1,000SQFT台【200平方メートル以下】の物件が、3BR、2 1/2BA【寝室3つ、浴室2つ、トイレひとつ】と書いてあったら、アメリカの物件の場合、間取りって、相当、ワンパターン化します。

眺望良し【例、river view=河が見える】といったポイントは当然、、物件情報に書き込みますし、最近は、great room【二つ目のリビング。いろいろ使える汎用的な部屋といったことらしい】といった意味のわからない部屋が作ってあったりすることはありますが、普通は、玄関どころか、廊下もなく【玄関、廊下については、こちらで前言及したことがあります】、間取りもシンプルなアメリカの部屋には、三角形の寝室といった「これ、断っとかないとまずいよね」みたいな『”しかたなくこうです”型間取り』は、通常、ありえません。

マンションで、洗濯機を置くスペースがない場合でも、coin laundryが下にあるとか、近くにあるといった文章での説明が一般的。


賃貸物件も同じです。


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アメリカでも、遠距離投資は当たり前というわけではなく、逆に、私も、アメリカ人投資家仲間に「物件を見ずに、家を買うなんて、、、お前のやっていることは、自分にとっては、空恐ろしい」といわれることもあります。

しかし、アメリカでは、間取りがネックで、客付けができないとか、内見がうまくいかなかったとかって、ほとんど、聞いたことがありません。賃料も、もちろん、中を見たほうが、高い精度で見積もれますが、それは、間取りの問題で、そうなのではなく、全体の状況を総合的に見極めるためと認識されているのです。

客付けに関係するファクターといったら、、、

ロケーションは、当然。庭のあるなし、もちろんです。部屋数は、みんながチェック。ガレージの数も、2台分ないと、ランドローバーが入りません。

しかし、間取り?凝っている人、知らないなあ、、、日当たり、、、関係ないとはいわないけれど、一軒家だったら、普通、そんなに回りにビルとかないし、、、うーん、、、風水【英語流には、feng-shui】も、あまり、一般的じゃないですし、、、

たまに、増築を重ねてしまった家で、「寝室6つ、バスルーム2つ」なんていうのはありうるでしょうが、しかし、そういうのは、いきなり、情報を文章で見た段階で、「だめだめ」な家【日本ではそうでないでしょうが、寝室が6つあれば、バスルーム2つは、アメリカ的には、おかしい間取り、そういう豪邸にふさわしくない間取り】だということはわかりますから、間取りなんか、見る間でもなく、誰も、内見になんか、そもそも、行かないでしょう【フィックスアップOKの人以外は】。

こういうところ、アメリカの家って、商品のスペックとして、極端に均一化しようというコンセンサスが、やっぱり歴史的に、相当強いのかなと思います。どのメーカーだろうと、古かろうと、みんな、大体、クッキーカッター【クッキーカッターについては、こちらから】なんですよね。


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話がまた、それますが、この前、日本で、知識、経験ともに豊富な投資家、Xさんとお食事をしたとき、ふっと、上のようなことを思いついて、恐る恐る、聞いてみました。だって、私、Xさんに、間取りも見せずに、遠隔投資で、家を、売りつけていますから(笑)。


私 

最近ようやく思い至ったのですが、Xさん、日本で豊富な経験と知識がおありになると、逆に、対米投資って、恐ろしくありませんか?この前買われたデトロイトの家だって、間取り、見せてなかったですよね、、、【ていうか、私も、管理会社に下見に行かせただけで、間取り、知らないぜ、、、汗】


Xさん

アメリカは日本とぜんぜん違うらしいことがわかったので、早い時期から、細かいことにこだわっていると、かえって失敗するかと思い、頭を完全に切り替えました。


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う、器が大きすぎるぜ、Xさん!日本の熟練投資家の皆さんも、アメリカ投資の折には、Xさんを、ぜひ、見習いましょう、、、【って言い訳か?】


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後記

ちなみに、日本同様、狭いエリアを活用しなければいけないNYCについては、英文ですが、ニューヨークタイムズ紙に、しばらく前に、面白い記事が、出ていました。こちらから。「うなぎの寝床」は、railroad式と呼ばれています(笑)。

それに、一般に、郊外にある普通の一軒家や、他のエリアのコンドミニアムにはない、「日本式長い廊下」が登場!やっぱり、スペースが限られると、こういうことになるんですね。しかし、マンハッタンなら、間取りは要チェックかと思うと、最後のレアルターさんの締めくくりの言葉はやっぱり、、、

You can look at 100 floor plans and they don't really vary that much. People who buy these classic apartments come to expect a certain layout. Having a unique apartment can be a negative.

『ニューヨークでも、市内の戦前式のきちんとした建物なら、100室見たって間取りなんか大同小異だわ。だから、こういう、クラシックな物件がほしい人は、標準的な間取りを期待しているものよ。ユニークな間取りなんか、マイナス要因に過ぎないわ。』

これが、アメリカ人の、コンセンサスだと見た!

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