PER DIEMとは何か PAYOFF LETTERご説明 その2
ペイオフレターとは何か、については、しばらく前に、記事を書きました。
既存の融資がある不動産決済の際に、LENDER(LENDする人。貸す人。通常、銀行)が発行するのが、ペイオフレター。「元本と利息、あれば滞納金やペナルティをあわせ、融資の全額返済が可能になる金額」を、通知する証明書のようなもので、通常は、融資をした側が、抵当権抹消にも合意する書類を作成することになります。(そちらは、RELEASE OF MORTGAGEと呼ばれています)
そして、そのペイオフレターにおいて、重要なキータームのひとつが、今日取り上げる パーディアム(英語では、ディアムとディームの中間くらいの発音。DEEM=ディームという別の単語の発音と間違えないくらいの感じです)
ラテン語で、「一日ごと」という意味。英語でいえば、PER DAYでしょう。
皆様ご承知のように、英語には、ラテン語の言い回しがよく使われることがあり、法律やビジネス用語にも、その影響が見られます。
PER DIEMは、不動産決済でもよく使われる言葉です。融資に関連し、最近、投資家様から、この件について、よくご質問がありますので、ここで、取り上げてみましょう。
直訳すれば、PER DIEMは、一日ごとという意味。
これが、決済に、どう関係するのでしょうか?
私が関係する決済に使われる文言の例を、お見せします。
実際のペイオフレターの例PDF
この案件は、ちょうど、昨日、米国時間で、2014年3月27日木曜日に、決済されました。
もともと、2013年10月に6万5,000ドルの融資が行われ、その返済がされたということです。その融資については、右の記事で、ご説明をいたしました。2013年10月に行われた6万5,000ドルの融資案件の概要
物件自体は、購入時、下のような内装でした。
購入時には、実は、テナントが入っていて、これだけ状況がよかったのでしたが、結果からいうと、このテナントは、出て行きました。格安案件が、これだけよい状態で買えたということで、いつものような「大幅要修理案件」ではなかったために、いわゆる全面修理は行わないことにして、タッチアップ(表面的な修理。ペンキ塗り直しなど)だけを行い、別のテナントを入れて、現在に至っています。
今回、売却はせず、普通の銀行からの融資に切り替えて、高金利の融資への返済を終わらせたわけで、上のPAYOFF LETTERは、その際に、弁護士が、作成したもの。
パーディーアムに関係する部分は、下です。抜粋し、文章内容を、ご説明しています。
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This payoff amount shall be good through March 17, 2014. In the event this amount is not paid off or received by the lender on March 17, 2014, please add a per diem amount of $21.37 for each additional day. This payoff letter will expire on November 30, 2014.
このペイオフ金額総額は、2014年3月17日付けのものです。同日までに、返済がされない場合は、毎日、21.37ドルを足してください。このペイオフレターの有効期間は、2014年11月30日までとなっております。
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このように、
1)事前に決済=返済期日が決まっており(この例では、もともと3月17日でした)
2)しかし、実際にその日に決済できるかわからないときは
3)翌日以降の計算方程式を明記し、サインをすると、
決済代行担当者は、上に基づき、実際に決済できた日にちに、PER DIEM計算をした上で、返済金額を、確定するというわけです。
このほか、PER DIEM=日割り計算は、不動産では、いろいろなところに、出てきます。
■ 賃貸借契約書。たとえば、1月1日付で契約し、同年12月31日で、契約満了と確定する場合、2日前に、入居する際には、PER DIEMで日割り計算した家賃を初月の家賃や敷金と一緒に、払います。また、12月31日に契約満了した際に、「後、2日だけ、転居まで、滞在させてください」という場合も、契約上のPER DIEM条項を利用します。
■ 売買契約書。賃貸中の投資物件や、空室物件には、この条項を利用する必要ありませんが、やはり、テンプレートとして、自宅を売却する売主が、決済期日後、物件に滞在し続ける場合は、1日いくらのペナルティというか、PER DIEMの支払いをするという条項が、準備されています。
不動産でなくても、保険などでも、よく使われる言葉。
上の決済の場合も、投資家様は、「結局、決済が、27日になったということですが、19日から27日までの期間については、どうなりますか?サインは、11日にしてしまいましたが、再度、別の書類を作るのですか?」というご質問がありました。
別の案件への投資家様からも、「このペイオフレターは、実際の決済期日より前の返済期日を指定してありますね。決済による返済額が、変動するようですので、それでは、新しい返済期日を使ってこのテンプレートの返済額の金額を自分で直します」というご連絡がありましたが、上の理由があるため、
「弁護士が作成しましたので、逆に、手直しにより、間違いが生じると困りますので、そのままプリントアウトされ、手直しされないで問題ありません。」
とあわてて、お返事をしたところです。
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