借りたカネ(元本)は返すな!
ちょっと、扇情的なタイトルをつけてしまいました。
八木宏之さんという方が、よく、こうした名前で、本を出されています。たとえば、
加治将一 ・ 八木宏之 著
『企業再生屋が書いた借りたカネは返すな!』
日本では、借金苦からの自殺や家族離散といった問題が多いようで、これは、大変よくないことだと思いますので、個人の再生を手伝ってあげる、こうしたノウハウ本は、どんどん、読まれるといいと思っています。
さて、この記事のトピックは、タイトル、「借りたカネは返すな!」です。
どういうことかというと、円ローンのような、利子のみ返済タイプのローンについて。
☆円ローンについては、こちらを、ご参照してください。
よく、まだ(アメリカ)不動産投資が分かっていない方は、
■利子のみ返済タイプのローン
↓
■元本が30年後(円ローンの場合はあるいは70歳までに)に残っちゃう!
危険!
と思いがち。
それに対し、私は、必ず、こう申し上げます。
円ローンでは、ローンの元本を返していくのは、損ですよ!
もちろん、世の中には、「ローンは嫌い。キャッシュでないと」といったタイプの投資家さんもおいでです。効率は確かに落ちていますが、余裕があれば、うらやむべきことだと思います。ですので、こういう「わかってやっている」、「あえてやっている」方には、「ローンを取得した方が得ですから!」とは申し上げません。こういう投資は、私たちみんなの最終目標かもしれません。
しかし、上に挙げた例のような場合、皆さんは、誤解があってそういっているわけです。
そこで、どうして、元本を返さなくてよいか、返さないほうがよいか、をここで、ご説明します。
★アメリカのような、不動産が長期安定資産である国では、
30年後、あるいは、自分が70歳になるまでに、物件
価値は、2倍、3倍になっている可能性が相当高いので、
元本が目減りしていく日本と違い、はっきり言って、
投資物件の将来を心配する必要はない。
日本の物件価値が通常であれば、目減りしていくという統計については、こちら
それでは、元本を払わなければいけない時期が来た場合の対策は?
■対策その1 そのとき、売却する■
ローンを返済する時期には、70歳。相続対策をしなければいけなくなる時期です。被相続人が「海外資産なんて面倒でいやだから、手放しておいて!」という場合もありえます。70歳になった段階で、数倍に値上がりした資産を売却し、ローンの元本をその一部から返済し、残った現金を、使っていくオプションもおかしくはありません。当然、キャピタルゲイン税を払う必要が出ます。
■対策その2 そのとき、リファイナンスする■
アメリカでは、ローンは、収入がある限り、70歳であっても、組みなおし可能です。よい物件だからずっと持っていよう」という場合、資産は大きく増え、ローン残高は低いままですから、その低いローン残高を返済するために、別の融資を取り付けるのもらくらく。
ちなみに、円ローンでリファイナンスをしたい場合なら、年齢制限の問題を解決するため、息子さんや娘さんが働き盛りであれば、こうした年若の家族に保証人になってもらうことで、再度、ローンを取得しなおせます。また、相続対策のための信託制度も用意されているので、相続対策として、物件の名義を信託に書き換えることも検討できます。
■対策その3 別途、元本を積み立てておく■
円ローンなら、元本も返済していくことは、可能です。というのは、繰上げ返済手数料はなんらありませんから、定期的に、元本を、支払っていけばいいだけの話なんです。しかし、それをすると、損をします。というのは、こういう例を考えてみてください。
物件30万ドルで購入
頭金25%投入
ローン残高22万5,000ドル(クロージングの日のレートで日本円に換算される)
⇒2,542万5,000円とする(113円)
さあ、30年後、あるいは、あなたが70歳になったとき、返済しなければいけない元本は、2,542万5,000円です。
これを、30年均等で返していくとすると、毎月の返済は、7万625円。
相当な負担感がありませんか?
それに対して、これを、別途、積み立て金融商品で30年後に2,500万を積み立てる目標を立ててみてください。30年間毎月定額積み立てをしていく形式で、たとえば、年率4%、税金は繰り延べで、年次複利方式しましょう。
いくら、積み立てればよいと思いますか?
答えは、毎月、約3万6,000円です。但し、受け取りのときに税金を払う必要がありますので、少し多めに、4万としましょうか(そのときの税制を正確に予測することは難しいでしょうが)。
ですから、「元本をどうしても積み立てていきたい、なんだかとにかく心配だよ」という方は、オフショアの生命保険型の貯蓄商品に入られればいいのです。知らない方は、紹介しますので、問い合わせてください。
そういう商品で、年率4%は、それほど、強気とはいえない見積もりです。優良国の国債ランクですから。
そうしておけば、結局、複利、税金繰り延べの複合効果で、あなたが払い込む額は、約半額近くにまで低まります。
このように、元本対策には、いくつもの戦略があります。
だから、その元本、まだ払わないで!
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