駐車スペースを汚された!の巻
不動産オーナーというのは、つまらない役回りを背負っています。今日は、そんな地味な大家ライフを、決済に関連して。
今回、ベガスの物件取得の例を、ブログで、連載?しております。
今回、この案件は、決済日も決まり、投資家様による書類へのサインや、ご送金もできて、「いざ」となったところで、つまらないことで、遅滞が。。。
それが、この駐車スペースの問題。例によって話が回りくどいんですが、背景から、ご説明させてください。
さて、ベガスの一般タイプのコンドミニアムは、すべてが車庫が備え付けではなく、気候がいいので、むしろ、車だけを駐車するなら、カーポートでOK。
〔車庫、ガレージは、密閉式の建物、カーポートは、屋根がある開放型の駐車スペースです〕
現地の人のライフスタイルを見ると、車庫=車を駐車するより、作業スペースや、物を置く倉庫という認識。
当然、車庫は別に買うので、多くの人は、標準でついている指定カーポートがあって、ゲストパーキングがあれば、OKなわけです。
今回のこの物件も、そんなわけで、カーポートがついているだけ。また、管理組合から、ゲストパーキングエリアに、友達が来たときに駐車できるよう、ゲストカードをもらうという仕組みです。
それで、管理組合があるタイプの物件というのは、管理組合の干渉が半端ありません。日夜、監視員が回り、
「あなた、ごみを昨日の晩出したでしょ!あれは、規則で、朝出すものよ!!」
とか、
「お宅の前に駐車されている車、あれ、お宅の知り合いですか?ゲストカードを渡して、ゲストパーキングに駐車してもらわないと、困りますよ!」
とか、挙句には、
「お宅のドアに汚れがあるから、ペンキ塗り替えてくださいよ。」
「お宅の鉢植えが共有エリアにおいてあるから、引っ込めてくださいよ。」
とか、小うるさい近所のお年寄りか小姑か?みたいなことをお金を取ってどうどうと言うという役回り。
投資家にとっては、考えどころで、
■一戸建てでも、管理組合があるところに投資をするか
■ないほうが当面の利回りが上がることを優先するか
■管理組合費が高いほうが、高級なので資産価値や実需性を優先するか
■管理組合費が安めなところを狙っていくか
といった悩みに直面するわけです。
いずれにせよ、一般に、物件が古いエリアは、管理組合方式ではなく、地元デベロッパーの分譲ものが多く、ベガスなんかは、あたらしめのエリアなんで、猫も杓子も管理組合なんですね。
ということで、今回、このマンションには、カーポートがついているところ、先週の金曜日の営業日が終わってから、業者さんから連絡があり、
「管理組合から、違反チケットが届いたという連絡が売主さんからあって」
といいます。
大体、あちらのオーナーは、ハワイに転居していたので、転送でしょうか?それとも、生真面目に、住所移転届けを出したのか?
いずれにせよ、誠実なタイプの売主さんで助かりました。最初の記事でご説明したように、今回の売主さんは、当方不動産業者さんの前からの知り合い。昔、この物件を、管理してあげていた縁で、彼女に、売却依頼があって、彼女が双方代理を務めることになったという背景があるのですが、誠実な業者さんの人柄で、多少のトラブルがあっても、彼女の力で、すべてが、プラス方向に進むのが、ありがたいところ。
たいしたことはないとはいえ、このまま決済したら、気がつかないうちに、返信期限が過ぎていて、いきなり前の人の尻拭いと延滞罰金を払う目になりかねません。もちろん、今回はお互いが知り合いのオーナーチェンジ案件なのでこういうやり取りですが、MLS掲載のやり取りであれば、向こうは、口をつぐんでいることもありえますし、銀行処分案件なんかであれば、「そういうのもあわせてよろしくね」みたいな契約になっているということもありえます。
ということで、
そのチケットの理由が、引っ張って申し訳ありませんでしたが、このカーポート地面の汚れだったのです。まったくマンション経営に知識がない方や、古い一戸建て投資しかしたことがない方は、
ええええ??
って感じかもしれませんが、これが、米国の管理組合のビッグブラザー振り。共有エリアの資産価値が落ちるような行動は許さん!というわけです。
どうして汚れているかというと、どうも、油染みらしい。
しかし、もう売主さんは、引っ越して久しいし、大体、生真面目な性格の高齢女性なわけで、油がもれているポンコツ車なんか、運転するわけがありません。
これは、どうやら、第三者の犯行なわけですね。
もちろん、このサブディビジョンの中に入るには、ゲートキー(gate key)が必要。また、まったく関係ない人が、ここに車だけ止めても、家に帰るのには遠すぎるわけで、たぶん、マンション内の誰かのセカンドカーですね。カーポートひとつは無料ですが、二つ目のカーポートを借りることをケチしているのか、その空きがないのか。無料でついてくるカーポートのほかに、二台目を堂々ととめるために、ガレージを買うとしたら、このサブディビジョン内は調べていませんが、売り物があるとしたら、結構、1万ドルとかになるかもしれません(独自の売買・登記になる)。
それで、今回は、前のオーナーが、ハンディーマンを送り込み、決済前に清掃をしてくれることになりました。その費用は、65ドルなり。
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しかし、、、、それで、果たして、本当に、一件落着といっていいのか?いや、、、
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そうです!今回、決済後、まだテナントがついていないこのお宅、また、悪いやつが、既得権で、やってきたら、またすぐ、一発で汚れることになる??
不動産業者さんからは、
「私も常駐しているわけに行かないから(←当たり前すぎ)、警備の方に、事情を話して、次に、届けていない車が(カーポートにとめる車種やナンバーは当然管理組合に報告します)駐車していたら、レッカー業者を呼んで、撤去してもらうように頼みました。」
という連絡が。
私からも、
テナントが決まるまでの間、立ち入り禁止するためのCONEとかは、置けないの?
と聞いたんですが、
「HOAが、規則で、だめっていうのよ!信じられないでショー?」
とのこと。
あっそうですよね、美観が損なわれますもんね。ほかの方の運転の邪魔ですしね。こりゃまた失礼をしましたねはい。
まあ、HOAの巡回の人って、結構1、2日に一度は来ますので、それに期待したいです。夜だけとめていて、朝夕は出かけているタイプの「駐車場スペース窃盗」だと、日中の巡回で捕まらない可能性があるのだけが、少し心配です。
まあ、巡回の人は、変な時間外活動をキャッチするのも仕事のうちで、「深夜のゴミだし」とかまでけちをつけるのが仕事ですから、ぜひ、ここは、ウルトラ早朝や夜遅くに、巡回され、この不届きものの車を、TOW(撤去)してほしいです。
というか、こうなったら、とにかく、早く決済し、早く、募集に入りたいです。
投資家様にも、この事情は丁寧に申し送りしましたが、それがなければ、こういうことがまたすぐ起これば、理不尽さに、ぎょっとされ、管理組合(home owner's association)はもちろん、この物件の管理を担当するためにご紹介した管理会社(property management company)とのやり取りが、最初から、不信関係で始まりかねません。
大体、テナントさんも、なれないうちは、結構、ちょっとしたことで、チケットが切られたりします。大家さんにも、テナントさんにも、同時にお便りが来て、
1)これこれの期日までに直せ。
2)これこれの期日にヒアリングがあるから、異議があれば、そこで述べよ。
3)それらの期日を過ぎると、罰金が
4)罰金は日割りで、最大いくらまでつく
といった脅しになっています。
テナントさんも、なれてくると、こういうこつがわかってきて、あまり切符を切られなくなりますが、テナントさんが、違反をした上で、改善命令に対応しない場合、大家が、罰金を課されるので、結構な連携プレーが必要とされます。
私自身の物件で、一番あせったのは、、、
「テナントの息子が共同プールに石を投げているから、罰金を払え」
といわれたとき。
びっくりして電話したところ、
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うちの息子は、もう高校生だぞ。プールに石を投げている時間なんかあるか!身長だって、大人の身長で、見たら、子供じゃないことは一目瞭然だ。目撃したのが子供なら、うちじゃないに決まっている。黒人の子を見たとでも思って、うちが黒人だから押し付けようとしているんじゃないか!馬鹿にして。
■■
と怒り頂点。
私も、それを聞いて、「単に、子供がいると登録がある人に、ランダムに罪をかぶせようとしているのか」と思い当たり、それについては、「高校生ですから!」と、押し戻しをし、濡れ衣をどうやら晴らすことができ、罰金処分にはならなかったという思い出があります。
管理組合が困るのは、権利が強固で、金額は小さくても、債権回収権の順位が、税金の次に強いこと。もちろん、足並みを乱す人がいる場合に、それに対して、非民主的に対決することが必要な場合があると認められてのことで、その結果、額は小さくても、管理組合費滞納は、リーン(LIEN、抵当権)として強制執行権へも結びつきます。
そのため、逆に、管理組合の横暴に苦しむオーナーの訴訟などもあって、世の中、複雑、話し出せば、きりがないということになるばかりなのでありました。
ということで、なんか3ヶ月近く前、1月末に出た案件の決済で、ずいぶん、引っぱってますが、今回、投資家様には、だらだらとお時間をつぶさせることになり、申し訳ないとおもっています。ただ、今回のように、毎回、トラブルをつぶしながら行っている決済なので、その意味では、ご迷惑をかけるよりはましかなというところですが。今度は、テナントさんが入ったら、なにかまたネタが出てくるでしょうかね、、、
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