どんな失敗がありますか? 短期フィックスアップ案件・前編
投資リスクを検討されているお客様に、「これまでの失敗は、どのようなものがありますか?」といわれる場合があります。
投資について、どうしても、前提としなければいけないのは、
リスクがあること
だと思います。
なので、「どのようなリスクがあるか」と、「どのような問題が過去にあったか」、「どの程度の実績があるか」といった質問が、大切になることは、言うまでもないですね。
シカゴで、フィックスアップを行っている私のパートナーは、2007年から、不動産投資をやっており、私は、彼のことは、2008年に、彼が、フィックスアップに着手しだした頃から、知っているのですが、自分の投資をお願いするために、やり取りをはじめたのは、2011年からです。
結論を大まかに言うと、彼は、最初の数件のトライアルアンドエラーの期間を除き、「大きな赤字を計上した」フィックスアップ案件は、ありません。
また、それ以外の決定的な失地もないので、このパートナーシップについては、「これまでのところ、過去には、たいした失敗はないです」と申し上げることができます。
そんなわけで、現在も、私自身、彼のフィックスアップに対し、投資をしています。過去の例としては、こちらで、話をしたことがあります。 私自身の短期融資投資案件例
ただ、「見込み違いを絶対しない」わけではないので、コツは、もちろん、目標利益を、多めに見積もっておくことなのですが、それでも、「マイナスにまではならない反面、実質、各種の経費を支払ったところ、手元には、まったく利益が残らない」場合は、何回も、経験しているとのことです。
今回、こうしたフィックスアップの失敗のひとつで、
”あまりのギャップに、ネタにするしかないか、、、”
ともいえる驚愕の状況が生じてしまいました。
この件で、落ち込んでいるパートナーには悪いですが、実際のケーススタディーとして、取り上げてみましょう。
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2013年4月1日から下の物件をホールディングしている私のパートナー。この案件は、私や、私の紹介した投資家様が融資をしているわけではなく、彼の知り合いのアメリカ人の投資家が、資金を融通しているとのことです。いろいろエリアも研究し、万全の体制で、物件を掲載したのが、11月26日。
リフォームも成功の定石どおり進み、惚れ惚れするような、物件に仕上がったのですが、、、
ちなみに、収支明細は以下のとおり
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購入価格 7万3,000ドル
修理総額 4万5,000ドル
融資総額 11万ドル
持ち出し 8,000ドル
売出価格 15万4,000ドル
4ヶ月たって、累計で、70人以上の方が、見に来てくださったのに、現在、まだ、1通も、買い付け証明、もらえていないって、、、
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物件は、4ベッドルーム、2バスルームの平屋プラス半地下。
(二つ目のバスルームは、シャワータイプで、バスタブがありませんが、日本人にとってほど、バスタブは、アメリカ人には大きな問題ではないので、これは、フルバスルームと表記できます。こちらは、メインバスルームは、お風呂があるので、ほかの家族向けはシャワーで問題ないという考えで、これ自体は、間違っていない考え方でした。ちなみに、トイレと洗面台だけで、シャワーもない場合は、1/2、つまり、ハーフバスルームと表記します)
寝室が3つ、1階にあり、4つ目は、半地下にあります。後ろ庭に向かって傾斜しているので、半地下は、窓があり、採光性が高くて、地下室という感じがありません。
前庭も広々、裏庭も、巨大なこの一軒、エリアも、この価格帯からすると、治安は、決して悪くないといういいこと尽くめの案件。
MLS掲載シートには、
この美しくリフォームされた4BR、2BAレンガ物件(地上1階、地下室)は、ロケーションもよく、部屋サイズも巨大! 床は、フローリング、真新しいキッチンには、ステンレスの高級家電が備え付けられています。ランドリールーム完備、地下室は、改装により居住可能。ガレージは、2台分、素敵なお庭、アップグレードやプラスアイテムたくさんで、価格は低め。この家だけは、見逃せません!
とあり、不動産広告だというのに、
正直、関係者からいうと、うそも誇張も、見当たりません。
15万ドル台での掲載に、食いつきが来ないわけですから、商談が、成立しても、14万ドル台になるだろうと、予測されます。上でご紹介したように、物件取得とフィックスアップだけで、12万ドル近く、元手が、かかっているというのに、、、
そこで、私の別の物件と、比較してみると、私が、上の記事で投資した案件は、2階建てで、地下室あり、6ベッドルームの巨大案件という違いはあるものの、ビジネスとしてしてみると、
************比較例******
購入価格 6万ドル
修理総額 3万ドル強
融資総額 9万ドル(少し足が出た)
売却価格 17万9,900ドル
と、私の現地パートナーにとっての利益率は、この案件と比べると、ぜんぜん、違います。。。(融資する側は、利率は固定ですので、関係ありません)
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価格設定から見れば、4BRとして、お手ごろ感もあり、内見者が毎日のようにきてくれたのも、フィクサーアッパーとしての私のパートナーの力量の賜物。
不動産の魅力は、ロケーション、ロケーション、ロケーション(Location, location, location!)。場所もばっちりだったはず。。。
それが、今回、パートナーは、「14万ドル台のオファーがきそうだから、とにかく、売ってしまい、MOVE ONしたい」と、弱気な発言をしています。
その値段では、決済に当たっての各種手数料や、融資への高金利を返済し、ホールディング期間中の火災保険や固定資産税を払ったら、この案件をホールディングして、懸命に働いても、結局、利益は、、、ないといっていい状態、、、
融資をしたLENDER(融資をした人のこと)にとっては、売却で、リターンを確保して返済を受けるわけなので、問題はないというか、どうでもいいのですが、彼自身は、何のためにやったのか、わからない状態。
上では、「赤字を出したことはない」と彼が言っているということを、申し上げましたが、この例なんか、実は、各種経費や、ガソリン代まで含めれば、大金ロスには、ならないでしょうが、こ数千ドル単位の「赤」になるかもしれないんじゃ、、、?
場所もよく、写真を見て、これだけ多くの人が、来てくれたのに、どうして、誰も、「自宅として、住む!これなら、大人数の我が家も、満足だよ!」と、言ってくれないのでしょう、、、、
ぐちぐち言っている間に、例によって、長くなりました。この続きは、次の後編で、、、
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