Your Mother Raised You Right! あなた、偉いわよ!
アメリカ人は、スラング英語の大家です。日本の英語教育で今どういう文法が教えられているか知りませんが、たとえば、私が英語の教科書を読まさせられていたころは、
Hello! How are you?
I am fine, thank you! And you?
といった会話が、平気で、設例とされていました。
いけないというわけではありません。
間違っても、、、いないんでしょう。
しかし、ユルんでしまった今のアメリカ人相手に、こういうやり取りを期待してはいけません。
それなりの年齢の外国人ビジネスパーソンがまねする必要があるとは思いませんが、若い人たちは、初対面でも、
How's it going, buddy?
ヨッ!兄弟、調子はどうよ?
などとやり合っているもの。
How are you today?
と聞かれたら、相当な年齢のプロフェッショナルでも、I am fine, thank you. ではなく、
I'm GOOD! You?
バッチリさ♪そっちは?
となるでしょう。
【注:本当に、体調を聞いているのではありません。上っ面のやり取りなので、今日は風邪気味だからええと、そういうときは、どういうんだっけ、、、などと考えず、たとえ病気であっても、GOOD! と答えましょう。】
さて、ぜんぜん関係ない導入でしたが、アメリカ人が、あなたをほめるときに使うのが、これ。
Your mother raised you right!
あなたのお母さんは、あなたを、ちゃんとお育てになったわね!=あなた、偉いわよ。
アメリカでは、目上、年下といった意識はそれほどはありませんが、通常は、目上の人というよりは、年若の人に対して、使います。どちらかというと、女性語ですね。
実は、今回のデトロイト出張で、知らない人に、「あなたって偉いわよ!」と声をかけられた私。
どうしてかというと、、、
同行していた管理会社さんも、相当ウケていたので、いつもの恥かきついでに、お話してみましょう。
この2008年12月のデトロイト出張では、郡の役所で、名義書換証書【ディード】をとってこなければいけなかった私。
非能率な郡の役所では、証書の取り寄せは、一回、3セットと決まっております。
つまり、3セット請求し、請求書を立ててもらい、それを、別の出納係で払って、レシートを持って帰ると、ディードをくれる、という仕組み。
25枚とか、あるので、9往復します。
そこら辺は、普通にスルーできます。だって、デトロイトだもん。お役所だし。
しかし、このプロセスを繰り返した後に、全セットを確認すると、担当者が能率が悪く、すべてを請求したところ、いくつかのディードを複数プリントアウトし、他方、支払いをしたはずのいくつかのディードのプリントアウトがない、という状況が、明らかに。
しかし、そんなことで、文句を言っても始まらないので、再度払ってもいいと思い、そこで、また、一部のディードを、再度、請求しなおしに行くと、件数が多い私のことが、気に障りだしたらしく、
「私がどこでどう間違ったって言うのよ。まずは、全セットこちらに持ってきて頂戴。住所を言われて書いた、ここの私の控えの紙もまだ手元に残っているから、それと照合をするから、そこで、私の間違いの所在を確認するのが手続きよ」
などと、ウルトラうざいことを、この女性が言います。
また渡すと、順序をばらばらにされたり、確認に30分もかかったりするといやなので、
「確認は私がもうしたから、いいわ。それより、この3軒だけ、とにかくお願い」
という返事をすると、そこからが、なぜか、ボタンの掛け違いで、彼女が壊れたレコードのように、確認させないとやらない、といった趣旨の嫌がらせに入りだしました。
私の短所は、気が短いことと、社交性ゼロなこと。思ったことを、思ったときに、思ったように言い、好きなことを、好きなときにするこの性格が、この年になると、われながら、大変いとおしいですが、こういうときには、マイラブリーキャラクター、トラブルの元であることを認めざるを得ません。
よせばいいのに、彼女の発言にいちいち答えているうちに、いつしか、周りの人が息を飲んで見守るバトルが勃発。
担当者は、しきりに、
私がいやなら、上司を呼んできて相手させるわよ!そうしたいの?
と、なぞの逆切れ。
あんたでいいんだから、いまやってよ。
と、生真面目に答える私は、どこをどう間違ってこんな道に迷い込んだのでしょう。
「自分の手順確認が、マニュアルだわ。あんたって非協力的ね」と繰り返すこの女性に対し、最後には、
「自分好きはもうわかったから、とにかく私に対するサービスを提供するのがあんたの仕事でショ!」
と、ゴーマン宣言。だれか、止めに入ってくれ。
最後に、女性は、上司を呼んで、くどくど泣き言。
フツー、上司を呼ぶのって、客のほうじゃない?
幸い、この上司は、冷静で、「お客様の用件は?」というので、「これこれです」というと、さっさと自分がやってくれました。
どこでも、管理職って、大変ですね。デトロイト、GMだけでなくて、役所も人員整理しろ。
バトルに勝利?したのちは、さすがに、恥ずかしくなった私。周りの人々が凝視する中、出納課で、支払いを始めると、前にいた長身の上品な女性が、
YOUR MOTHER RAISED YOU RIGHT!
びっくりしている私に、女性は、例のバトルの健闘をたたえてくれたので、大苦笑。
しかも、同行してくださっていたお客さんが、私のだんなさんだと勘違い。
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だんなさんは、ああやって座っているだけで、あなたが全部仕事をやっていて、
あんな調子じゃ、うちでも、お子さんたち、全部ひとりで世話をさせられてるわよね。
それにもくじけないで、ああやって、受付の人にいうべきことは、ピシッと言って!
本当に、お母さんは、あなたのしつけに、大成功したわよね!胸を張っていいのよ!
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同行のお客さんは、我慢して他の投資家様の物件事務処理に付き合っていてくれたはずが、【奥さんにすべての仕事や育児を押し付けてふんぞり返る男尊女卑のアジア人男性】に成り下がっている、、、
やはり同行していた管理会社さんは、私のバトルにウケまくって、他の人にわざわざ、報告したり、何度も、「あの時、Michiko、なんていっていたっけ?ほら、自分好きとか何とか、いってたじゃないか、あの言い回しは、どうだったっけ?」と、会話のやり取りを私に再現させては、貴重な体験を、エンジョイしまくり。ていうか、あんた、あの時、書類で顔隠して座ってなかったっけ。
ジモティは、役所に何度も来なくてはいけないから、ああいうとき、怒りを抑えているんですね、、、そのとき気がつけ、私。
愛すべき国、アメリカ。いらいらさせられることもたくさんあるけれど、こんな私にも、居場所を提供してくれる、、、【多分】
あの、お客さん、あの時は、すみませんでした、、、
お母さん、胸を張ってください。あなたは、間違っていませんでした。【育てる国以外は、、、】
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