円ローン マージンコール対策
円ローンのマージンコールについては、こちらから。
わかりやすい例で言うと、為替が、1米ドル115円(そういうことも、ありました)のときに、融資比率70%で、10万米ドルを借り起こし(2009年現在の最低借り起こし額は、15万米ドルです)、そのとき、円キャリートレードを選択すると(金利が大きく低くなるので、それが中長期戦略としては有利なわけですが)、借り起こし額は、円で確定するので、1,150万円となります。
この場合の物件価格は、大体、14万2,857ドルくらいでしょう(細かくなるので、この程度で流します)。
しばらく前から、円ドルレートは、円高傾向が止まりませんね。
銀行では、「レート変動に基づき、融資比率が、80%になる」と、注意喚起のお便りをよこします。
これは、どういう意味かというと、円高傾向が増して、円が、強くなると、
1ドル@115円 だと、 銀行に借りている額は、、1,150万円 = 10万ドル
1ドル@100円 だと、 銀行に借りている額は、1,150万円 = 11万5,000ドル
さて、そもそも、物件購入価格は、14万3,000ドル弱でしたね。
査定額自体が、これよりずっと大きかった場合はよいのですが、査定額が、14万5,000ドルだった場合を想定すると、
10万ドルは、14万3,000ドルの7割弱
11万5,000ドルは、14万3,000ドルの8割弱
あれ?融資比率が、大きく狂ってしまいましたね?
銀行との契約では、頭金投入比率は、本来、30%を想定していたので、それが、自分が追加借り起こしをまったくしなくても、円ドルレートの変動だけで、20%まで割り込んだ計算になるわけですね。
銀行が、注意喚起のお便りをしてくるのは、今の段階では、まさに、この融資比率8割になったとき。
私に来た例ですと、こちらを、アップしたことがあります。ちなみに、私自身の融資条件は、LTV75%でした。今より銀行の融資政策が融和的だったわけで、その条件自体は、守られます(最新の融資比率は、対米だと、60から50%まで落ち込んでいます)。
実は、その後、ブログ上は、ご報告していませんでしたが、私の場合、もともとの円キャリートレードが、113円位という天井(今から思うと、、、笑)だったので、当然、ずっと前に、「LTVが、85%になったよ、15%の追加担保が必要だよ」というお便りも、来ており、そのとき対応もしました。
この場合、ある程度ネゴシエーションで、どうするかを、銀行と協議しますが、以下の二つのオプションがメインとなるようです(他にも絶無ではないですが、ちょっと英語交渉力やら、それなりの問い合わせが必要になるようです。マージンコールをかけられそうになっていて、気になる方はお問い合わせください)。
■元本自体を、15%、返済する
■銀行に、15%分の追加担保の定期預金口座を開設する
どう違うかというと、為替が逆ぶれしたとき、差が出ます。
例えば、オバマ新政権も、人民元以外には、ドル高政策をメインとすることを宣言したということですし、日米政府筋が両方納得する「ドル高」が、円との関係で、具体的にいくらになるのかは私にはわかりませんが、いずれにせよ、一部の専門家は、2年以内に、110円の再来をいずれかの時期に、現実のものと(それはそれで、今のウルトラ円高同様、過渡的なものかも知れないわけですが)想定しているようです(2008年12月時ロバート・フェルドマン氏講演も参照)。
その場合、110円近くの状態で、しばらく小康状態となれば、後者であれば、「追加担保分の引き降ろし」が、可能なのです。ペナルティはありません。
それに対し、「元本を返してしまう」と、その返した分は、「リファイナンスをしなおさないと、引き出せません」。別途、リファイナンス審査やフィーがかかるわけです。
より細かいですが、定期預金を作る場合は、小額の利息がつきます。その利息分は、こちらの収入。但し、元本自体は、返済せずに、多めに借り続けていますから、返済金利自体も、多めなわけです。
さらに細かく言えば、追加担保は、ドルで積み立てられるので、定期金利は、円より高いです。それに対し、借り起こしている額は、円なので、返済金利は、ドルより安いです。
ということで、私自身は、元本返済ではなく、定期預金開設を選びました。
1年固定の、米ドルの定期口座です。
LTVが75%なので、LTV85%まで、10%しか、猶予がなく、100円近くで、すでに、最初のコールがとっくに来たわけです。2008年10月上旬でした。
最初のといったのは、更なる円高が進めば、また、マージンコールがくる可能性があるからです。
セミナーでも、「ある程度余裕がないとできない投資です」と申し上げましたが、私のように、為替音痴だと、なおさらですね、、、苦笑
私が、2007年にローンを組んだとき、円高になると思っていれば、ドルキャリートレードをしており、今、スイッチをしていれば、上の動きと真逆に、元本を、大きく、減らすことができたはずなわけです(ドルキャリーしている間、毎月の返済金額は、円キャリーしている場合の倍くらいで相当負担感を感じたはずですが)。
私は、為替や株の動きなどは、このように、完全に音痴なので(といっても、中長期の展望なので、逆に、短期の勝負には、慣れている、プロの方でも難しいかもしれないのでしょうが)、自分の得意分野でないことについては、私は、自分に甘く、この状況についても、まあいいや、と割り切っています。
再度、追加を要求されれば、また、定期預金を増やし、ドルが強まれば、そのとき、定期預金の(途中)解除や、スイッチの検討などを、また行い、のそのそと、このローンの勉強を、していこうかと、、、70歳までのローンですから、腰を落ち着けて、、、笑
ちなみに、現在、2008年9月段階の、対米融資基準改悪前に仮融資決定(対米投資比率7割、金利のみ返済、返済期間70歳まで)をお持ちの方の場合、その決定は、決定通知日から6ヶ月有効なので、こうした方は、春先まで、物件購入については、余裕があるということになります。
今、90円前後という円高のまま、円キャリートレードを決済できれば、それから、さらに、15%、円が高くなるという自体は、さすがに、それほど多くの方には、想定されていないので(70円台半ばということ)、すごく有利に、決済できる、ということになります。この波を捕まえられる方は、マージンコールが来る可能性は、それほど大きくありません(never say neverといいますので、絶対、とは言わないでおきましょう)。
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