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賃貸付けについて デトロイト編

主として、デトロイトオーナー様向けのポスティングです。

まず、一般論から。

アメリカでは、テナントさんは、入居に当たり、通常、家賃2か月分の支払いを行うのが通例。

そのうちの一か月分は、初月家賃。もう一か月分が、セキュリティデポジットで、日本で言う敷金のような役割を演じます。参考記事は、こちらから。

ここで、客付けをしてもらう場合ですが、不動産屋さんやマーケッターへの礼金を、locator feeなどといいます。

テナントさんは、2ヶ月しか払わないわけですから、一昔前の日本のように、フツーの賃貸物件に、不動産屋さんが2軒介在し、返却不要の2か月分の礼金を1ヶ月ずつ分け合い、それでも、敷金が2か月分残る、というような牧歌的な世界ではありません。今の日本も、厳しくなっていますよね。

ロケーターフィーは、0.6ヶ月といった額の場合もあるし、1ヶ月とられる場合もありますし、300ドルといった一律の場合もありえます。【大きい物件の場合は、金額は、また、別のルールで決まるかもしれません。商業物件の場合も、事情は、大きく異なります。】

地元のベテラン大家さんであれば、レアルターさんに頼まず、自分でオンラインの無料のコミュニティポストや新聞広告などに物件を掲載し、自分で内見対応をして、テナント審査も自分でしてしまい、このロケーターフィーを払わず、敷金を丸まる手元に残したりも、可能です。

しかし、私たちの場合は、オンライン広告までは、努力で、自分でできるようにはなりますが、どうしても、内見対応は、第三者にお願いしなければいけません。


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と一般論は、以上で、現在、デトロイトでやっている運営状況についてのご説明です。

一部、例外がありますが、2008年12月現在、現在、大体、以下のようなシステムへと進化しています。


■物件は、定型的な物件供給をしてくれる売主からしか買わない
■売主は、仕入れの段階から、私や当社提携管理会社の判断や投資基準を遵守
■基準に合致した家の修理を進めると同時に賃貸マーケッティングの準備
■お客様との売買契約締結
■売主や管理会社、最近よく利用するエージェントとの相互連携で客付け
■当社管理会社が、最終テナント審査のうえ入居させる


以上のプロセスの中で、運がいいと、決済時には、入居が決まっている場合もあります。ただ、それは、入居保障ではありませんので、場合により、購入から、最大、3ヶ月位は、空室が続くといった可能性も、ありえます。大変申し訳ないながら、入居のペースは、必ずしも、100%コントロールできる部分ではないので、お客様には、(購入時の)空室リスクについては、その後の期間に生じる空室リスク同様に、ご理解をお願いしております。妙なテナントさんを、「急げ」とばかりに、適当に入れてしまって、「すぐ入りましたよ」といっても、又すぐ強制退去をかけたり、修繕費を負担する羽目になっては仕方がありません。

さて、原則として、テナントさんからは、1か月分あるいはそれに近い額の敷金を預かるようにしています。敷金も準備できないテナントさんは、やはり、退去時に、「どうでもいいや」といった態度で物件を大切にしない可能性があるからです。

敷金は、通常、金額的に、500から600ドル位のことが多く、その全額を、ロケーターフィーとして、謝礼のほか、各種広告や、内見のための行き来のガソリン代、場合によるとちょっとした物件魅力度アップのための備品購入費用や、入居者向けのバックなどもあわせた経費として、総合的に、使ってもらっています。今のところ、それ以上には、、「入居してくれたら、1ヶ月賃料無料」といった、キャンペーンまでは、しないですんでいます。

他方、本来、敷金は、普通は、きちんと清掃をして退去される一般のテナントさんがおいでの場合は、テナントさんにお返しする必要が生じます。通常、敷金は、管理会社が、管理し、オーナーには必ずしも渡りません。【ここら辺については、入居後お送りしている、お客様の物件についての賃貸契約をご参照ください】

なので、私たちの場合も、

■初月と敷金の合計2か月分をもらい
■1か月分は、ロケーターフィーとして、客付けエージェントに渡し
■賃貸契約を開始するが、
■敷金の補填の必要が生じるので、それは、毎月の家賃から、行う

形をとっています。

管理会社は、「最初の1、2か月分から徴収すると、最初、支払いがなくなり、小切手が送れないから、申し訳ない。なので、数ヶ月に分けて、徴収します」といっています。

もうひとつ、やはり、管理会社のほうで、預かり置きさせていただいているのが、owner reserve【修繕予備金】。

当社提携管理会社では、300ドルとなっています。【この部分については、お客様が、管理会社と締結される管理契約ご参照ください】

300ドルまでの修理であれば、管理会社の判断で、事後報告で、修理をしてしまいます。

それ以上であれば、見積もりを出して、承認をしていただき、必要があれば、送金をしていただいて、修理をする形となります。

最近の例では、生活保護家庭の家で、契約更新に伴う市の立ち入り検査【年次】で、770ドルの修理が必要とされた例があります。これ以外にあまりかからないとすると、大体月平均で言うと、65ドルになる計算です。

まとめると、なので、入居後、

■敷金分【賃貸契約書で合意の額】を管理会社預かりにする
■修繕予備金300ドルを管理会社預かりにする

までは、満室修理なしでも、毎月分割で、差し引きが生じます。

前者敷金分については何もなければ、退出時にテナントに返済義務が生じます。

後者予備金については、使用項目があるごとに、新規家賃から、補充していただきます。

以上が、現在管理会社の運営となります。場合により、「あれ?まだ、差し引きが始まっていないな?」という方もいるかもしれません。手作業のため、着手のシステムやタイミングがランダムな場合もあります。

本来、最初に、オーナー様から、900ドルくらいのチェックを管理会社にまず振り出していただければ、この問題を解決できるのですが、オーナー様の投資時初期費用を少なくするため、こういうシステムにするように私のほうから管理会社に、依頼していることです。

当然ですが、管理会社から、月例の明細が来たら、内容を確認し、間違っていると思われたり、わからないところがあれば、お問い合わせください。

管理会社も人間ですので、間違いがあります。

過去の例では、例えば、水道代が、たまたま、オーナー持ちとなっていた物件をお客様が入手されたところ、毎月の明細には、デフォルト表示である「水道代はテナント持ちです」という表示がなされていたという間違いがありました。

そのお客様には、賃貸契約書もお見せしてあったので、それと照合すれば、これが管理会社の明細作成時のミスであることはわかるのですが、不慣れなお客様には、それが、わかりにくかったようです。

こういうときは、私に間違い指摘や、お問い合わせをしていただければ、誤解は訂正できますので、そうした主体性の発揮は、オーナー様としても、ご協力していただく必要があります。

デトロイトで私たちが使っている管理会社さんの対テナントマネジメントスキルは、全米ランクで見ても、トップ5%に入るだろうと思います。

私たちが買っているランクの物件で、客付け、賃料回収は、本来、容易ではありません。オーナー様のほうで、「格安で、大変な仕事をしてもらっているから、こちらは、できることを、後方援護しなければ」というお気持ちが生じてこないのであれば、逆に、対米不動産投資は、お客様にとられましては、【デトロイトであろうと、他のエリアであろうと、】相当なストレスになると思います。

私の立場で、こういうことを言うのも、不適切ではありますが、、、ご理解いただければ幸いです。「オーナーが、人を数人使ってやっているような零細ではなくて、何十人も常勤者がいるような、ちゃんとした、大きい会社組織を使えば?」と思われるかもしれませんが、そういった会社は、商業案件のほうが利益率が高いので、市内の一戸建ては、手間を嫌って、あまりやらないのです。【ちなみに当社管理会社は、零細ではありますが、ライセンスも持っており、業界団体にも所属している優良企業です】

アメリカ人との付き合い方一般論について下に、記事をいくつか書いたことがありますので、これも、ご覧になってみてください。

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アメリカ人のメール嫌い
対アメリカ編効果的なやり取り
計算間違いが多いアメリカ社会一般

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いろいろな地方、いろいろな管理会社とのやり取りの中で、「自分への連絡ぶりが不十分だと思う」とおっしゃる方が、たまに、おいでですが、アメリカ式の考え方を前提とすれば、テナント対策ができていれば、オーナーへの連絡は、毎月の明細と小切手が行っていれば、それ以上に密にすることを要求するほうが、労働力の非合理かつ非効率な投入要求であるということになります。

古来の日本と同じ考え方とはいえませんが、日本よりも労働生産性が高いと国際的に評価されている先進国で採用されている考え方ですので、「郷に入っては」と考えてみてください。

さて、アメリカのリースは1年契約なので、長期的に、毎年、新規募集をしなければいけなくなると、相当な負担となります。

私など、広告フライヤーには、「満室入室時の利回りはこれこれです」なんていう言い方をしますが、敷金一か月分がまるまる経費となるという点はその計算に入れていませんので、この場を借りて、ご確認をさせていただくべきだと思い直しました。誤解がありましたオーナー様がいらっしゃったことかと、お詫びします。言い訳になりますが、フライヤーの家賃自体から始まり、不動産におきましては、ご案内は、すべて見込み、概算であることは、ご理解いただけるかと思います。

さて、以上のように、出入りが激しいと、思ったより、お金になりませんので、中長期契約を希望される方を優先したり【私たちが選んでいる家はすべて、庭付きの大きな家族向けの物件なので、これは、何もなければ皆さんそうした希望があることが通常だと思います】、入居されている方の便宜を図ったり、または、今後、テナントさんに支持されるような、魅力的な物件作りや、ロケーターフィーの額を抑えられるよう、相談をする等、投資家様の利益を最大化する方策をいろいろ考えて行きたいと思います。

中山からのお願いです。
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